現代においでませ(1)

「終わった〜〜!!」
「もう今から冬休みだよね、何しよっか?」
「あ、北条くん。なになに〜?かごめがいないからってさくらを誘っちゃうの〜?」
「あ…ごめんね、冬休みは忙しくなりそうだから…遊ぶ暇、ないかも。」
「え〜??!!!かごめも?」
「うん、多分。ごめんね…せっかくの冬休みなのに。」
「ううん、そうだよねぇ…勉強もしなくちゃだし…」

終業式も終わり、冬休みに突入した。
でも、私は旅に着いていかなくちゃならない。
もう、のんびりとした空気はない。
今すぐにでも行きたい位。

「みんなはこれから何処か遊びに行くの?」
「うん〜、いつも通りご飯食べに行って、街を歩くの。」
「そっか、私は帰るよ。また誘ってね!」
「じゃあね〜!また年明けに!」
「うん!元気でね〜!よいお年を!」

いつもの3人に別れを告げ、廊下に出ると一気に玄関へ走って向かう。
あまり体力に自信はないけれど、家まで走って帰る。


「ただいま〜!母さん、お昼ご飯用意してて〜!」
「あら、もう行くの?あっちも大変なのね。」
「うん、もうすぐ決着が付くかもしれないんだ。」

一言伝えて、自分の部屋に入り、着替える。
ふと、カレンダーを見てみる。

(そっか…あと少しでクリスマスかぁ……)

恋人なんてどうなんだろう?と思っていた自分には縁がなかった、クリスマス。
だけど、今年は違う。
言っても良いかなとは思うけど、殺生丸がいる。
それにりんや邪見もいる。

(みんなで現代を歩けたら楽しいだろうなぁ…)

バッグに荷物を詰めながら妄想を膨らませる。
邪見はりんにぬいぐるみとして持たせたらいけるし…
りんは普通に溶け込むね、可愛い服を用意だけしたら…
殺生丸は……あの銀髪をまとめ上げて帽子で隠して…顔は……仕方ないかな、マスクなんて気持ち悪いだろうし。
そして…あまり人がいない所が良いな。でも、隠れスポットみたいな所。
美味しいご飯も食べたいなぁ…何が良いだろう?

と、考えてるうちにご飯の準備が出来て呼ばれる。
そうだ、母さんにも相談してみよう。