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恥ずかしさも抜けないまま、次の部屋に入る。
次のお題は…
[さくらの事を嫌え その冷たい心でな]
「……、…」
「今度は殺生丸…だね。」
「………………」
「私は大丈夫…多分、酷いこと言ったら通してくれるよ。」
「……何と…言えばいい。」
『おやおや、殺生丸様？貴方様は極度の人間嫌いだった筈…日頃から溜めている鬱憤を今、吐き出して良いんですよ？』
「……」
私もさくらも、互いのことを想っている事を分かって、この様なことを…！
何と言えばいい…？泣かすことはしたくない。
「…お前など…私の傍に近寄るな、この人間風情め。」
「…っ………」
『それだけですか？もっとあるでしょうに。』
(本当に思ってるかどうか、分からないから余計に悲しい…)
(真意の真逆の言葉なぞ…)
「も、もう一声だってさ…」
無理をしているのは分かっている。
どうやら…泣かすしかないらしい。
「…ｽｯ……私の手ばかりを焼かせて何が楽しい、何の意味がある。」
「……」
「…お前の顔なぞ見たくはない。」
(奈落、お前の顔など、な。)
「……っ………ｸﾞｽｯ…」
『素晴らしい！それでこそ真の大妖怪、殺生丸様！さぁ、先へお通ししましょう。』
「……泣くな…あれは私の本意などではない。」
「わかってる……だけど……やっぱり…苦しいや…」
『あぁ…さくら、そんなに悲しんで…どれ程裏切られたか……』
「……！」
『わしが傍に肩を抱き寄せて、その美しい涙を好きなだけ流させてやろうに。』
「…さくら。」
「う、うん……行こ…っ！」
まだ涙は止まってはいないが、先に進んでいく。
私は何故、これ程にも胸を痛ませているのだ…
これが人を………そう、か。
天生牙を振るうに至ってもあまり深くは考えていなかったが…