ねぇ、知ってる?(1)

「昔、ちっちゃい頃、童話とか絵本で読み聞かせ聞いたわよね〜。」
「童話といえば、かぐや姫でしょうか。いやぁ…私もそのような……っ…。」
「犬夜叉はそういうのなかった?」
「あぁ?あー…知らねぇな。」
「そっか…じゃあ私が犬夜叉にも関係ある話、してあげる!」
「よっ、かごめさま〜!」
「犬夜叉に関係ある話…?そんなのあった?」
「あるじゃない!ね!」

恒例行事のかごめの家でお泊まり会。
今日のテーマは童話で、縁の薄い犬夜叉にも楽しめるよう、何か話すみたいだ。
でも犬夜叉に関係ある話って……あー…3匹の子豚とか?
まぁ犬が出る話だよね…桃太郎?

「むかし、海を渡った遠い西の国に赤い頭巾を被った女の子がいました。」
(……うん、これは赤ずきんちゃんの始まり方…)
「その女の子は見た目の通り赤ずきんと呼ばれ、大層可愛がられました。」

かごめが導入を話すと聞いたことがないやら、わくわくするやら、皆が喋る。
こほんと制せばまた静かになる。

「ある日、赤ずきんは病気で寝ているお婆さんの所へお見舞いに行くよう、お使いを頼まれました。」
「赤ずきんはお母さんにお土産を貰い、お見舞いに行きました。」
「ですが、行く前に赤ずきんは、お母さんから狼には気をつけるんだよ、と言われました。」
「何故なら、お婆さんのお家に行くために通る森にはこわーい人食い狼がいるからです。」

「人食い狼さん〜?!」
「洒落にならないんだけど…」
「へ…あ、ご、ごめんね。りんちゃん。私、そんなつもりで…」
「わ、分かってます!大丈夫です!続きを…!」
「無理はしないでね?」

「狼さんに会わないように寄り道はいけないよと言われました。」
「赤ずきんが森を歩いていると、綺麗なお花畑がありました。」
「赤ずきんは、お婆さんに持っていこうとお花を摘むことにしました。」
「しかし、そこに怪しい影。それは狼さんです!」
「『おや…あれは赤ずきん!お婆さんの家に行くのだな?俺が先回りしてやろう!』と、狼さんはどこかへ行ってしまいました。」

「え〜!お姉ちゃんはどうなっちゃうの〜?!」
「えっ?!何で私?!」
「さくら姉ちゃん似合いそうだから!」
「そ、そうかなぁ…」
「うーん…さくらさんも良いが珊瑚も捨てがたい…」
「ちょっと…私はもう女の子って歳じゃないよ…っ!」
「さくらが赤ずきんか……確かに、いいかもな。」
「犬夜叉まで……」