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「われは……っ…いぬいちぞっ……の…っ…せっしょ…る…なり……ぐ……」
「ご子息様がお戻りになられました!」
「ご子息様!その怪我は!それにご息女様はどうなさったのですか!」

門番、護衛共が騒ぎ立てる。
慌ただしく駆け回る者達の中を一人階段を上がる。

「殺生丸っ!…!どうした、何があった?!」
「ちち…ぅぇ……もぅ…ぁけ……っ…」

私は限界を迎えた。
生きているかも分からぬさくらを背負ったまま。


《─────ぃ…せつにい……》
《……さくらか…?どうした、何処にいる?》
《─ごめんなさい…ごめんなさい、約束を破ってしまって…》
《さくら何処にいるのだ…姿を見せよ。》
《私…お傍にはいられないの……》
《…っ?!どういう意味だ…!さくら!》
《でも…大丈夫。殺兄が私を想ってくれる限り会いに行けるから。》
《答えろ!さくら!!》
《……殺兄………》
《行くな!行くな!!!!!》
「行くなさくら!!!!!!!!!!」

……………夢……だと…?

「目が覚めたか、殺生丸よ。」
「父上……う"っ…!」
「動くな、それにまず聞きたいことがある。お前は何故竜骨精の臭いを付けている?」
「りゅう…こつせい…?」
「知らぬか?この西国を脅かす暴君だ。私は近いうちにそれを倒そうと思っていたのだが。」
「…そうでしたか、無礼をお許しください…それとさくらの方は…」
「…………さくらは…死んだ。」
「─!!!!!」

死んだ……?死んだ、だと?

「どうして………何故父上はさくらを同行させたのですか。」
「まだ分からぬか!どうせお前は自分の力を過信したのだろう。」
「過信などは……!」
「ならば何故その様な形をしている?何故さくらがあの様な傷を負う?」
「…それは……」
「殺生丸…私を倒そうという心持ちは受け入れよう。だが、何かを欠いてはおらぬか?それを見つけれぬのなら出直せ。」

何も言えぬ私を置き、父上は部屋から退出された。
私に欠いているもの…か。
それを見つけていた私が挑めばさくらは死ななかったというのですか。