肝試しA

4つのペアに分かれた私達。
丁度1ペア1個ずつ灯りを持って、真っ暗な石畳の階段を登る。
まずはルフィとウソップが登り始め、あっという間に見えなくなった。

「ちょっとウソップびびりすぎじゃない?」
「な、なんで逆にそんな普通でいられるの…??」

少し間を置いて今度はジャンケンで決まった通りに、サンジとチョッパーが行く。

「チョッパーさんのアレは完全に防御態勢ですね。」
「今日は1人で眠れないかもしれないわね?」
(トイレにも行けないよ…!)

見えなくなって少ししてから、次はナミとロビンが行く。

「うわぁぁぁんんんん!ナミィィィ!ロビィィィィン!」
「泣くなって!俺がいるだろ?!」
「ちょっと可愛そうですね…」
「しゃーねぇよ、船長ノリノリだったし。」

体の大きいフランキーとブルックまで登り始めてしまった。

「うっ……うぅ……ぞろぉ……」
「大丈夫だって!階段も短いかもしれねぇし、何も出ねぇよ!」
「うぅっ……ほんとぉ…?」

ゾロは私を落ち着かせる為に抱きしめて頭を撫でたり、キスをしてくれる。
そのおかげで泣きださずにはいられている。

「そろそろ行くか。」
「う、うん。」

それなりに時間も経ち、登り始めることになった。
暗い林の中、足元がぼんやりと懐中電灯で照らされる。
グッとゾロの方に引き寄せられて、少し安心しながら進んでいく。
階段はそれなりに長く、先が長い。

(早くみんなと合流したいよぉ…)

ガサコソ……
微かに茂みが揺れた、と思って顔を向けると。

「うぅ〜らぁ〜めぇ〜しぃ〜やぁ〜っ!」
「イヤアァァァァァァァァァァァァーーーーー…ぅぅん……」
「おおうっ?!…ってなんだ、ブルックか…ビビった〜…」
「……あら?サクラさん?」
「……気絶しちゃってるわね。」
「最高っ!!!!!ビックリしたサクラの顔、撮っちゃった♪」
「…………」


「………ん…?」
「お、起きたか?」
「…………〜〜〜〜!ぞろおおお〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!」
「な、泣くなって!!!!!!!!!!」
「やっと起きたのねサクラ!」
「すみません…サクラさん。まさか気絶するだなんて…」
「大変だったんだぞ?」

ビックリしすぎた私はどうやら気絶してしまったらしく、全く目を覚まさなかったらしい。
仕方なく船に戻ることになったが…
山の頂上には蛍がたくさんいて、綺麗な場所があったみたい。
それを聞いて落ち込んだ私に
「また見に行こう、な?」
とゾロが言ってくれた。
次の夜はちゃんと二人で見に行かせてもらえた。
もう肝試しはごめんだ。