4.ナワーブ
ぽかぽかと暖かい日差しが差し込む中庭。
ナワーブと二人並んでベンチの上で日向ぼっこ。
特に何かをするわけでもなく、小鳥の囀りが賑やかに聞こえる。
「なぁ、サクラはここに来て良かったと思ってるか?」
ナワーブがふと聞いてくる。
「え?」
「荘園の主から届いた手紙をアテにここまで来て、毎日ゲームをする日々を送って…」
「うん…」
「だから後悔とかしてるんじゃねぇかなって。」
「うーん…来たことを後悔したことはあるよ。」
「そっか…だよな…」
「でもナワーブに会えたから今は後悔してないよ。」
「…?!」
思っている事を素直に言えば、ナワーブは驚いた勢いでこちらを凝視する。
そんなに変な事を言っただろうか?
「ナワーブは?」
「え、あ…俺もサクラと一緒の考えだ。」
「そっか!」
「サクラに会えたのは大きな収穫だと思うし、他にも普通に生きてたら会わなかっただろうなって奴ともたくさん会えたし。」
「確かにっ。人脈は広がったよね。」
「ゲームは正直何とも言えねぇけど…でもまぁそんなに後悔はしてないんだよな。」
「うん、そう。」
空を見上げながら口笛を吹き始める。
彼はよく口笛を吹く。
得意であり、癖になっているらしい。
心地よい音色だから好きだ。
「今日も1日頑張れそうな気がする。」
「なら良かった。」
「明日も明後日も、これからもきっと俺にとってはいい1日になるな。」
「…どうしてそう思うの?」
「へへっ…だって…」
今日も空が青いから
(だって天気が良いと何でもよく見えないか?)
(晴れてる日は気持ちも晴れるってもんさ!)