6.ジョゼフ
今日のお茶会は約束されたものを片手に参加。
どういったわけか、みんながジョゼフの撮る写真を見てみたいらしい。
確かに他の人に見せるような事をしているイメージはない。
静かにそっと撮りたいものを撮って、アルバムに大切に保存する。
部屋の壁にいくらか飾られているけれど、それはほんの一部だ。
その日の夜に相談すると、案外すんなりと許可はおりた。
「これ、私の気に入っている写真たちが入っているから持っていくといい。」
「ジョゼフの厳選写真集?」
「まぁ、そうだね。ふふ、なんだか言葉にされるとこそばゆいけど。」
「撮った写真、他の人に見せたりしないから、嫌なのかと思ってたけど…」
「え?あぁ…確かにね。まぁ他人に見せる意味はないと思ってるから。」
「自己満足…?」
「そう、自己満足。でも君には見せているだろう?」
「うん、ジョゼフの撮る写真はどれも綺麗で好きだから嬉しい。」
「うん、興味津々な君の表情も好きだからね。あ、汚さないようにだけ頼むよ?」
「もちろん!…ありがとう。」
「少し嬉しく思ってるんじゃないかい?」
「え…!……えへへ…ばれちゃった…」
「こんにちは、持ってきたよ!」
「あら、待ってたわよ!」
「さぁどうぞ、今日はアップルティーです。」
「いつもありがとう。」
「こうしてエスコートできるのは、紳士として光栄なことですから。」
クッキーの入った籠の間にアルバムを開く。
開いた一枚目は草原の写真に小さく私が写る写真。
その雄大さにみんな息をのむ。
「なめてたわ…まさかこんなに素敵なものだとは思わなくて…」
「これ、本当にいつものあのカメラで撮ったもの…?!」
「そうだよ?全部三脚か、持ち歩ける小さなカメラのどちらかで撮ったもの!」
「これは素晴らしい……どうして彼はこれ程に素晴らしいものを見せないのか…」
「自己満足だからって。」
お茶やクッキーの存在も忘れ、みんな真ん中に置かれた写真集に釘付けだ。
なんだかとても嬉しい。
「ふぁ……あ……っ………やぁ、サクラ、隣良いかな?」
「あ、ジョゼフお疲れ様!隣、どうぞ。」
「ふふっ、さっそく見せてたんだね。」
「ジョゼフ!ちょっとあなた!こんな良いものを独り占めだなんて!勿体無いわ!」
「そ、そうかい…?」
ウィラのあまりの気迫に押されてしまう。
「数枚くらい館のよく通るところに飾ってちょうだい!」
「え…あぁ…まぁ良いけども…」
「ジョゼフさん、何故撮ったものを閉まってしまうのです?」
「それは…本当にただの自己満足だからね…」
忘れるなんて嫌だったから
(どうしても未練が強く残っていてね…)
(残せるものは残しておきたいんだ。)
(もうあんなに辛い思いをしたくはないからね…)