俺だけ、私だけB
"私を"……ああもうほんと、花子ちゃんはどれだけ俺を夢中にさせたら気がすむんだろうか。どんどん好きになっちゃうよ。
『ありがとう、嬉しいよ』
そう言いながら髪をクシャクシャと撫でれば、嬉しそうに頬を緩める。
「うん、嬉しいだけじゃなくて本当に頼ってね?」
『ふふっ、うん。花子ちゃんもね』
「う、うん」
『間があったね、ちゃんと俺を頼ってください!』
「はい!」
そう言って2人で笑い合う。幸せってこういう時間を言うんだなぁなんてこの歳にして思うよ。
「あのね、早速なんだけど…」
『なに?なんでも言って』
「振りでわからないとこがあって…」
『よし!じゃあ一緒にやろっか』
「…いいの?」
『良いに決まってんじゃん!その代わり帰りは送らせてね?』
「…うん!」
『で、どこがわからないの?』
「えっと………ここのとこなんだけど」
『俺が考えたとこじゃん、じゃあ最初から言ってくれれば良いのに』
「……迷惑かけたくなくて…、でも次からは頼る!」
ガッツポーズを作る花子ちゃんを見て、ついつい笑顔になってしまう。やっぱりうちのお姫様は凄いですわ、唯一無二ですよ。
俺だけのお姫様に…なんてのは言えないし言わないけど、頼るのは俺だけにしてね。いつまでも隣に居させてよ、花子ちゃん。
そんなことを考えながらジッと顔を見つめれば、みるみると顔を赤くして逃げていく。ヤバイ…
『花子ちゃん可愛い…』
「へ…!?」
『へ、あっ!えっと、あの…』
ヤバイ、声に出てた……うわあ、顔見れねえ。てか俺の顔を見せられねえ…絶対真っ赤なんだけど。
「隼くんも、カッコいいよ」
そう言って顔を真っ赤にしながらハニカム花子ちゃん。
あの、やっぱり俺だけのお姫様になってもらっていいですか?
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