なんや、特別やん






RY「もう〜今日も花子は可愛いなぁ」

「隆二くんありがとう、隆二くんもカッコいいよ!」

OM「ねえ、今日の衣装いいね、太ももエロい」

「臣くんの変態」

EL「花子!この前気になってるって言ってたグループの新譜でたから貸すよ!」

「えりちゃんありがとう!!」

TN「ねえ花子、ちゅーさせて」

「ええ〜どうしようかな」










俺はメンバーが許せん、花子を離してくれんから。




テレビ番組の収録やで、もうちょい落ち着けや。そら直人さんと直己さんが前の仕事から戻ってくるまでは暇やけどさ…。

隆二はええよ、だって花子が可愛いんは事実やし。
臣ちゃんは通報やで、健ちゃん警察出動や、セクハラやでそれ。
ELLYは、まあええやろ仲良いんはええ事や。
わんこは今すぐ処刑や、表でろ。同い年で仲ええからってそれはアウトや。そして花子もそこはきっぱり断れや。



やっとの思いで告白して付き合えたうちの紅一点、山田花子。
もともとメンバーからちょっかい出されとったけど、俺と付き合い出してからそれが加速してる。

まあ、俺的には花子が楽しいならそれがええと思うし、年の離れた俺が割って入るべきやないかなぁと一歩引いて見てまう。

それに花子とは付き合ってると言っても特別感がない気がする。いつまでも仲間の延長線上って感じ。あんまり彼氏と彼女っぽいことできてへんなぁ……。








ボケーと考え事をしながら椅子に座ってスマホをいじっていれば、後ろから花子が抱きついて来た。







「健ちゃん、健ちゃん」

『んあ?どしたん、首閉まるからちょっと緩めろや』

「ねえ、構ってよ」

『みんなに遊んで貰えばええやろ』

「健ちゃんがいいのに……」











明らかにシュンとした声で俺の名前を呼ぶ花子は、最高に愛おしい。
ほんまに俺のこと好きなんやなぁって、でもほんまに俺だけなん?

てかこんなかわええ彼女に寂しい思いさせるって俺なんやねん、酷い男やなぁ…。








「健ちゃん、健ちゃん」

『なに?』








振り向けば不意にキスされて、いい歳した男が1人赤面。









「あはは、健ちゃん顔真っ赤」

『うるさいわ……//』

「健ちゃんだけだよ?」

『ん?』

「特別なのは、健ちゃんだけだからね!」








そう言ってジュース買ってくる!と楽屋を飛び出る彼女。

ああもうほんと好きや。








やっぱり彼女にはかなわんわ。





『待って、俺も行く!!』












(俺ら空気…)
(俺の花子が健ちゃんと……)
(俺もちゅーされたかった)
(健二郎さん良かったね!)





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