来年も
今年はいろいろあったなあ、去年は自分のことでいっぱいいっぱいで直人さんにお世話になってばかりだったけど。今年は"曲作り"って新しい世界をくれた。
"花火"はメンバーさんからも好評だと直人さんが教えてくれて、嬉しかった。
テレビだけでなく買い物に出かけた先でも聴こえてきたりして、照れ臭い。
私が作った曲を直人さんのグループがパフォーマンスしているのを見ると少しドキドキするけど嬉しい。
ボーカルの隆二さんと臣さんは詩の意味をを汲み取って丁寧に歌ってくれているのが伝わってくるし、直己さんや健ちゃんさんやがんちゃんさんやELLYさんは詩の中の感情を1つ1つ指先まで綺麗に踊っていて嬉しくなる。
そしてなにより直人さんの表情や指先、足先まで全ての動きに胸がキュッとなる。
今年は直人さん大忙しだったなあ、レコ大に紅白にたくさん見れて嬉しいんだけどね。夜遅くに帰ってくることも増えて少し寂しい。
気づいたら日付を越えて居て、もう2013年、早いなあ。いつの間にか2年、3年と経ってしまうんだろうなぁと自然と家族写真に手が伸びる。
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「ただいま、ごめんね遅くなっちゃって」
『お帰りなさい、今日もお疲れ様です。紅白かっこよかったです』
「ありがとう」
今日も夜遅くに帰って来て、もはや明け方だったけど。
ちょっとこっち座って、と手招きされソファに並んで座る。
「あのね、俺本当に花子ちゃんに感謝しててさ、レコ大も紅白もそれに単独ライブも"花火"があったから、それに花子ちゃんが居てくれたからで…本当にありがとう」
私の手を握って、目をじっと見つめて言われて。恥ずかしさと嬉しさで視界が滲んでくる。
「何泣いてるの笑」
『違っくて、違うんです。あの、私は何もしてなくて…全部直人さんやメンバーさんが頑張って来た結果で……それに、感謝したいのは私の方です…。
私を拾ってくれて、いろんなものを…曲作りをくれてありがとうございます。すみません、なんか、まとまらなくて…伝わりました?』
「うん…、ありがとう。伝わったよ」
私が好きなのを知ってか、髪をクシャッと撫でてくれる。
こうされると落ち着く。
「それでね、HIROさんからまたよろしくって」
『また?』
「曲をね、うちの事務所のみんな気に入ってて、また作って欲しいって」
『本当ですか……?』
「本当だよ」と優しく微笑んでくれて、ああ私必要とされてるんだなぁって、少し自意識過剰だけど思って嬉しくなる。もっと頑張っていいのか。
『嬉しいです…!!頑張ります』
「うん、でも無理しないでね」
『直人さんも、』
「うん、じゃあ」
「『今年もよろしくお願いします』」
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