太陽と向日葵と出会い



REO'side











涼「玲於、Flowerさんの新曲聴いた?」

「"太陽と向日葵"でしょ?聴いた、めっちゃ良い曲だね」





たまたま事務所に用があって来たら涼太くんと会った。
最近涼太くんとはもっぱら"アンクさん"のことで、結局Love You Moreの歌入れの時も発売してからも会うことはなかった。





涼「てかあの曲さ、作詞作曲が…」

「アンクさんだよね、」

涼「そうそう、良いよなぁ〜また歌いたいな、アンクさんの曲」

「まだ三代目さんと俺らとFlowerさんに一曲ずつしか提供してないんでしょ?」

涼「みたいね、調べても何も出てこないし謎すぎる……」





アンクさんのwikiがあって見たけど名前と作品名しか書いてなくて、本名も年齢も性別も何もかもが謎で、俺たちの中で期待ばかり膨らんでいく。





涼「そうだ、この前事務所でピアノの練習してた時に忘れ物しちゃってさ、寄っていってもいい?」

「ん、」





涼太くんに連れられてその俺は行ったことのないピアノのある部屋にくれば、部屋の中には先客がいた。





「誰?」

涼「見たことないね、しかもめっちゃ若い。玲於と同じくらいか1個下くらい?」

「ね、キレイ」

涼「聴いたことない曲…メロディも綺麗だし…あの子可愛いね、玲於好きそう」

「いや、別にそんな意味じゃ」




俺は曲がキレイという意味で言ったのですが、と言えばわかってるよと笑われる。
まあ、顔も可愛いと思いますけど。

じっと2人でドアの窓から覗いていれば中にいた女の子がこっちに気づいて手を止めた。そして慌てて片付けをしてこっちに近づいて来た、俺と涼太くんが退けばドアが開いてその子が出てくる。

ずっと下を向いたままで、てかこの子小さいな、俺より頭一個ぶん低い。





涼「どうしたの?体調悪い?」

『いや、あっ、あの、お邪魔しました!』

涼「いや、邪魔とかじゃな「曲が、素敵な曲だねって、見て…ました…」




あれ、俺何焦ってるんだろ。普段なら涼太くんの言葉を塞いでまで話すことなんてない。でもほら、なんかこの子困ってるみたいだし…。




『ありがとうございます…嬉しいです、あっ……』





ずっと下を向いていた子がすっと顔を上げて、お礼を言いながら俺ら2人を見たと思えば落ちちゃうんじゃないかってくらい目を見開く。




『歌の人と肌白い人…』

「??」

涼「俺らのこと……?」


『あっ、あの、すみませんでした!』





失礼しますと言ってバァァッと走って行く背中を呆然と見つめる。なんだったんだろ。





「肌白い人……」

涼「俺、歌の人だって」

「俺らのこと知ってる人なんだね」

涼「うん、ここの事務所に所属してる人なのかな、俺らが知らないだけで」

「かも、」

涼「じゃあ今度マネさんにでも聞いてみよ」

「別に俺はそこまで…」

涼「顔に気になるって書いてあるよ、」





涼太くんの忘れ物を取ってマネージャーさんにさっきの女の子について聞けば、そんな子知らないと言われて俺と涼太くんとの間で謎は深まるばかりだった。


幽霊とか……?
俺そういうの無理なんだけど。




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