黄瀬は白雪の手をひきながら、半歩後ろを遠慮がちについてくる彼女を気づかれないよう窺う



金曜日は結局部活に来なかった赤司。
ここまで遅くなるのもめずらしいと不思議に思って青峰にニオイを探させた。
残念なことに彼と黒子はあまり鼻が効かない。
すると生徒会室ではなく三年の廊下にいたため、黒子が心配し迎えに行った

黄瀬と青峰はコートで遊び緑間は自主練習、紫原はコート端に座り込み一心不乱に菓子を貪っていた。
そこへ白雪を置き戻ってきた黒子と赤司は、そそくさと着替えて体育館に顔を出し、先に帰る旨を端的に伝える

先に帰るなんてひどいっスよ黒子っち!待って俺も帰る!

キャンキャン彼が喚く。
対峙していた青峰に乱雑にボールを投げ、投げられた方は額に青筋を浮かべる。
人を待たせてるので、と黄瀬を待っていられない理由を言われキョトンと目を瞬せた

ー待たせてるって、だれ?

赤司は黄瀬に付き合う気は最初からなかったのか緑間に戸締りを頼むとさっさと玄関へ向かっていった。
去りゆく後ろ姿を見て、一人では黄瀬から逃げられないことを悟った黒子はため息をついてから簡潔に白雪のことを話す

ーちょっと不思議な、僕たちに似た力を持ってる女の子を赤司くんが助けたんです。危ないので僕と赤司くんは彼女を送るので、今日は一緒に帰れません

一日分の喋りをしたんじゃないかというくらい滑らかに話すため、驚いてしまった

ーえッ、それって大丈夫なんスか!?その子、二人の正体のこと…

知ってんの?
問うための言葉は黒子の綻ばせた目元に飲み込まれる

ー彼女はとても、優しい人ですよ

それじゃあ。
切り上げられた会話に突っ込むことも出来ずに見送った。
正体を知っても一緒に帰るために待っててくれる子


同志たちが心許せるほどならば、自分だって少女に会ってみたい


月曜に探してみよう。
楽しみが出来た黄瀬は、青峰に挑む時とはまた違う期待を膨らませた





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