赤司くんは私服までとても洗練されていた


「こんにちは」
「お待たせしました…」


紫原くんと引き会わせてくれるとのことで、現在赤司くんが我が家の玄関先まで迎えに来てくれている

申し訳ないしそこまでされるほどのことじゃないと断ったのだが、如何せん口が達者で賢い彼に勝てるはずもなかった。
お昼前の約束の時間より少し遅れて彼は訪れた


「準備はもう出来てる?」
「うん。赤司くんが遅めに来てくれたからバッチリだよ」


ありがと、と窺い見ながら伝える。
私の憶測が間違ってなければ赤司くんは気を遣って遅めに来てくれた。
裏付けるように微笑みで返事をする赤司くん。
なんてどこまでも出来た人なのだろうか


「じゃあ行こうか」


右手をいつかと同じく優しく攫われて歩き出す。
ボールを触ってるからかちょっとだけ固めの肌はほんのりあたたかくて、夏だというのにクーラーで冷えていた私の指先を包み込む

──ああ、あたたかい

もうこの手のひらを見失うことはないんだ


「赤司くん暑い?」
「まあ、多少はね。でも気候で言ったら京都の方が過ごしにくいからそこまでじゃないよ」
「バテてへろへろな赤司くんも見てみたいかも」
「外見に似合わず悪趣味だな」


幼い顔をより子供のみたいにして笑うから嬉しくなる。
どこに待ち合わせしているのかだとか、お昼ごはんのお店などを話していると赤司くんの携帯が震え出す


「どうした」
『あ、赤ちんー。俺待ち合わせ場所に着いたよ〜』
「僕たちもすぐ着くから動かないでくれ。此方から見つける」
『はいはーい』


紫原くん、意外と早い到着である
携帯をしまって赤司くんは私の頭を撫でてから再び手をとる


「…食いしん坊が待ちあぐねてるってさ」


紫色の髪が私の瞳の奥をよぎる



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