記憶虫《きおくむし》
主に本に住み着く妖怪。
昔の本の文字が消えていて読めないのはこの妖怪が喰らったからである。
本を渡り歩き文字を媒体として記録や物語を喰うが、人体に入ればその人物の新しい記憶からどんどん貪ってゆく

人体に入らない限り被害もなくまた力もないが、人の記憶を食べることによって強い妖力を得る
見た目は喰った文字が複雑に絡み合った黒い蚯蚓のような形をしている



名字名前
中三の夏前に記憶虫に記憶を喰われ、中二の冬辺りから中三の夏前までの記憶をなくす。
現在は桐皇学園一年生。桃井と青峰のどちらともクラスはちがう。
紺青の輝く瞳と不可思議な力を持つ




ぶわり、風が吹き上げて通り過ぎたかのように、一瞬で膨大な映像が瞳の奥を過ってゆく


痛い───ごめんね
つらい───泣かないで
苦しい───我慢するから
嬉しい───笑っててほしい
楽しい───もっと一緒にいたい
ああ、優しいあなたを私は…


……なによりも、愛しい
あのたった二ヶ月半という期間の間に経験した記憶が、気持ちが。
嗚呼、こんなにも私は


「赤司くん…」


約一年ぶりに口に出した名前は、ぼんやりと私の心に灯って、やわらかな光を生み出した



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