名前ちゃんの力は人間には効力を持たない。
この力は元から備わっており、ソレを妖狐が手中にするために無理に覚醒させられたモノ
妖怪からあたえられた恐怖から彼女を守るために覚醒した、妖怪に対抗するための本能
今回名前ちゃんの友達に力が有効だったのは、単純に呪に憑かれていたからだ
これは半ば賭けのようなものだったけれどうまく予想が当たってよかった
「じゃあ名前ちゃん。力を使って呪を呼び出して」
「わかった」
真剣な色をした紺青が美しくて、見惚れる。
幻のようで──私は幻想に憑かれた気分になった
彼女がいればこの世はそれでいい。
『出ておいで』
優しい声音に反応したニャア、という甘えた鳴き声。
まだ憑いて間もない呪にはかけた人物のニオイが色濃く残っていた
青峰君を見れば嗅ぎ取ったのか口角を上げている。
より悪人面に磨きがかかってるんだけど…
どうしてこうも幼馴染みは誤解を招くようなカオばかりするのか
『青峰くん、もう祓っても平気?』
「ッ!ああ、いいぜ」
力を使ったままの声は自分に対してのモノじゃなくても反応してしまう。
ビクリと震えた彼に気づかれぬよう笑っていれば、名前ちゃんは穏やかに呼びかける
『この子を呪ってはだめ。いい子だから、もうおかえり』
わかっているのかいないのか。
呪は倒れている子の周りをうろうろ歩き回っている
彼女は不用意にも黒猫へと手を伸ばした
「名前ちゃん!」
私が叫んだのと彼が狼としての力を使ったのはどちらが早かったか
「触んなよ」
彼女の手を引っ掻こうとした黒猫に、狼の姿となった青峰君が立ち塞がった。
名前ちゃんは呆然と座り込んでいて、パンツが見えそうだとハラハラしてしまう
「名字、祓えるか」
あくまでも、今回は名前ちゃんが祓うことに意味がある
あなたの力で消さなければいけない
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