何日かに一度彼の妖怪は死ぬ。
予言は定期的に視るものではないが名字名前と出会ってからは頻繁になっていて、件が現れる度に彼はソレが静かに枯れ朽ちていくのを見守る


自分に予言を預けて朽ちてまた新たに生まれる。
そのサイクルを何度も繰り返す件は緑間に必ず微笑みを浮かべてから消えていった

浮上した意識が何かを考える前に自室の天井をぼんやり映し出す翡翠の瞳

─ああ、朝か

状況を理解してから眼鏡をかけベッドを抜け出して、携帯で彼女のアドレスを呼び出した





宮地清志は疑念とそれに対しての強い確信を抱いていた

インターハイ予選を間近にした夏のある日、嗅ぎ慣れない二つの妖怪の混じったニオイ。
そしてその発生源に件のニオイが近づき、不審なソレと共に遠ざかっていく

緑間の知り合いだったことは明々白々であるが、どうにも腑に落ちない

宮地から見た緑間には他校からわざわざ訪ねてくる友人がいるようにも見えない上に、あのニオイにはやわらかな花のニオイが混じっていたため女だと思われる


「───アイツにそんな知り合いがいるかァ?」


自分の予想があまりにくだらなく思えてきて、宮地は思わず声に出してしまう。
次の日にでも聞いてしまえばよかったのだが不器用な彼は出来なかった

夏の疑問を秋まで持ち越してしまうとは。
なんで俺がアイツを気にしなきゃならないと女好きのする整った顔を歪めた


「……は?」


なぜ学校の近くからあのニオイがする?
それも土曜日の朝っぱらという偶然とも言えぬタイミングに


「…あ」


ひどく美しい紺青の輝きが橙色のジャージをとらえた



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