つつつー…と空気さえ震わせていないんじゃないかと思うくらいの静けさで、クモが天井から降りてくる。
蜘蛛の糸を使って情報を手繰り寄せた。
俺の前にするりするり落ちてきた小さなクモを人差し指に乗せる。

途端に流れ込む欲する情報
今日は福田総合と試合だ。
中三の時に白雪ちゃんに手出しされたこと、キチンとお礼できてなかったもんな


楽しみだなぁ…ねえショーゴ君


あの犬神憑きをやっと嬲ることが出来ると思うと、気の高ぶりが止まらなくなる。

何も出来なかっただけで、ひどく怒りを感じていたのだ。
犬神をはじめとした鵺にも天邪鬼にも、つい先日彼女を襲った靄にだって。
蜘蛛の糸があれば何処でも何時でも得られる、情報だけは。


「ありがと」


小さな配下であるクモに微笑めば、ソレはまた蜘蛛の糸をたどって天井に戻っていく


「さて!そろそろ行くっスかねえ」


白雪ちゃんはもうこの会場に来てくれているらしい。
桃っちと青峰っちが一緒なら心配はいらないだろ。
試合前にあの輝かしい紺青の瞳に会いたいけれど、こんな殺気立った自分なんか見せれない


ね、何にもできない俺だったけど。
君のためになら何だってしようと思うよ


「いい目してんじゃねーのリョータぁ」
「アンタをぶっ潰せると思うとゾクゾクするっスよ」




蜘蛛の糸《くものいと》
女郎蜘蛛に受け継がれる能力。
何時でも何処でもほしい情報を、蔓延っているクモから得ることができる。
これに関しては妖怪関係のみなどの制限はない




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