私があまり疑問に思わなかった記憶虫のことや、宮地先輩たちといたときに襲ってきたモノについて赤司くんは話してくれた。
「君も疑問に思ってただろ?真太郎たちといるときの、なぜあのタイミングでアレが襲ってきたのだとか」
「…うーん?あまりにも急だったから、特に何も…」
「君はそういう子だったね……もう少し危機感を持った方がいい」
その瞳と声の持つ力は特殊なんだから
そう言って深く息をついて赤司くんは整った眉を寄せ、そこへ手をあてた。
そんなにあの出来事自体が重要なことだったのだろうか
確かに、宮地先輩や緑間くん、駆けつけてくれた黒子くんや青峰くんには迷惑かけちゃったけど…
「アレは、君の中にいる妖狐が暴走したんだ」
「私の中にいる?」
「ああ」
印付されて妖狐のニオイがするのは頷けるが、私の周りには妖狐に憑かれた人間もいなければ妖狐自体もいない。
印付の血のマーキングだけならそこまでニオイは強くもないのに、私は妖狐と赤司くんからもらった天狐の血のニオイが半々しているそうだ
ということは、私の中に、妖狐がいる
「大方長い間自分より強い力の妖怪たちに君が触れることによって、力の弱い妖狐の自制が効かなくなったんだろう。まあ 記憶虫の件は浅はかといえど作戦だったのかもしれないが、先日の奇襲は完全に暴走だ」
暴走し始めたということは、早めに私の中にいるこの妖怪をなんとか剥がさなければいけないということらしい。
でも、私の何処にいるかだなんてわからない
「それなら問題ない。僕のチームに影喰と言う妖怪がいる。僕や大輝が見えないとこにいるとしたら影の中だと思う。現に、前回襲われた時は突然死角から影のようなモノが襲ってきただろ?」
そう言われれば。
白雪、と名前を呼ばれて声を追えば、宮地先輩のすぐ横から音も気配もなく現れた。
あの時は夕方。
後ろに伸びた私の影が宮地先輩の後ろに回って、宮地先輩が私を呼び掛けたように見せかけたとしたなら説明がつく
「アレは妖狐自体も自制が効かなかった結果だったと思うから、しばらくはもうないと思うよ。ただ、」
ウインターカップが終わり次第、キセキ達を集めて、影喰に君の中の妖狐を取り剥がさせる
とうとう私と祖母との、この呪いのような絆が、完全に断ち切られる時が目の前にきたんだ
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