そろそろ試合に行かなくては、という赤司くんについて行ってあわよくば観戦させてもらおうと思ったが、やはりと言うべきか。
青峰くんの時と同様断られた。


「私だって赤司くんの試合みたいのに」
「今日は真太郎の学校と試合なんだ。どちらかが負けて勝つだなんて、君は見たくないだろ?」


……確かに。
緑間くんにも赤司くんにも勝ってほしい。けど、ふたりが全力でぶつかるとこも観てみたいなぁという思いもある。


「君には、明日の決勝に来てほしい。そこでやっと僕たちのバスケにかけるすべての決着がつくんだ」


そう言って私の両手を包む赤司くんの瞳は強くて、ただ少し、寂しそうだった。


「うん、じゃあ明日の決勝戦は観に行く。バスケのルールはわかんないけど…あ!ただダンクが見たいな!」


この間宮地先輩に見せてもらったけどすごかったの!
興奮気味にいえば彼は苦笑してわかったよと私の頭を撫でた


「じゃあ僕はこのまま会場に行くから送れないけど、気をつけて帰るんだよ」
「ふふ、心配性ね。赤司くんも緑間くんも、いい試合してね。メール待ってる」
「ああ、ありがとう」
「行ってらっしゃい」


行ってきますと軽く手を振って離れていく背中を、なぜか引き留めたくなる。
赤司くん。なんだかもうすぐ、今のあなたに会えなくなる気がするんだよ





自室で遅く過ぎてく時間を焦れったく思いながら携帯の番人になっていた。
時間は夜の八時を回っていて、おそらく試合自体は終わっているのだろうが未だ赤司くんからの連絡は来ない。


「!、緑間くん…?」


やっと鳴り始めたと思えば緑間くんからの着信で、電話がくるのは初めてだったため不思議に思いながら通話と表示されている部分に触れる


「もしもし?」
『……名字』
「こんばんは。…お疲れ様、緑間くん」


なんだか言いたいことがわかってしまった。
私を呼ぶ声が普段の強い芯の通った強いものじゃなくて、ただの少年のものだったから


「もう会場は出たの?」
『俺たちの試合は六時頃終了して、もう黄瀬と黒子たちの試合も終わったのだよ』
「そうなんだ」


そのあとほんの少しだけくだらない世間話をして、電話を切った。
また赤司くんからの連絡を待とうとしたところで今度は黄瀬くんから賑やかな電話が来るものだから、笑ってしまった


『なッ、なんでいきなり笑うんスか!?俺ヘンなこと言った!?』


だってみんな、悔しいとかまだまだやりたいとか、そんな想いの先にキラキラした笑顔をのせているんでしょう?



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