白雪ちんを連れてやってきたのはみどちんが、俺が立っているのを見たという道。
人祓いはしてないが、妖力を抑えず放出しているため人間も妖怪も不気味なモノを感じて近づかないだろう
変哲のない通り。
しかし、いる。
ヤツの世界に入ってやるのは癪にさわるが手出しされる方が苛立つ
「白雪ちん、あの二つ連続した十字路の同じ場所にコーナーミラーがあるでしょ」
「うん」
「それ、通り過ぎるとき必ず見てて」
「え、」
「トラウマだろうけど、今回ばかりはその入り方しかないんだよね。ごめんね」
「……ううん、大丈夫。ありがと」
小さな頭を撫でると彼女はふんわり笑む。
無理をさせていることには違いないがこれだけ挑発してもなお己の世界に連れ込もうとする相手に、引きずれこまれる前に入る
一個目の十字路、何も映らない。
二個目の十字路、何かが映る。
「あ、え?」
「しー…そのまま、ここから向こうの世界だけど、ミラー見続けてて」
二つしか連なってなかったはずの十字路が、三つ目、四つ目まで先に現れた。
そして二つ目では何かが映り込む程度だったソレが、段々はっきりしてくる
「…ひっ」
喉が引きつったような悲鳴が聞こえたから、繋いでた指先にさらに力を込めて、繋がりを強くした。
四つ目の十字路を通り過ぎたとき、音は消え真っ白の世界になる
しかし光は無いため影も何も無い。
ただの白。
そこに佇んでいたのは、様々な身体の部位を奪ってくっつけた塊だった
「アンタでしょー?妖怪の心を奪って歩いてたヤツって。大方、姿のない怨念が他の妖怪の部位を奪って次は心を喰い始めたってワケ?」
「そウだよ。アたまのイイ坊やはきらイじゃない」
「……っ」
ガシャガシャと何処から声が出ているのか、くっついてる頭のどれが喋っているのかもわからない。
やはり白雪ちんは怖がっていて声も出ない様子だった
これは不味い。
相手に隙をくれてやることになる
「其方のお嬢サんはわタしがこわいようダね?」
「アンタが狙ってくれちゃってるからね〜。件が予言しないとでも思った?」
「まさカ。其方に件がいルことも知っテるよ」
言葉遊びは嫌いだ。
別に頭の出来は悪くない方だと思ってるけど、みどちんや赤ちんみたいにクドイのが好きかと言われれば、否だ
「めんどいからさっさと喰っちゃうよ」
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