血が、たらりと流れて。
それと同時に己の中の何かが目を覚まして、爆発的に具現化した
恐怖感とともに現れたのは、喰べたいという欲求──
「…ッ」
「コレは白雪ちんの力?」
「、そうみたい…」
尖った部分が先に私の腕を深く削り、その血が出た瞬間に目の前に迫る大きな口を、スプラッタ映画に出てきそうな妖怪の寄せ集めを、骸骨が喰いつき止めた。
紫原くんと同じ形の骸骨
「血分した効果がコレ…ね」
フーンと紫原くんは納得したように頷き、私が恐らく出したのであろう骸骨を指先で撫ぜた
すると喜んだようにして骸骨は彼に跪き、ほぼ喰べ終えかけていた獲物を離し、ソレを紫原くんが踏みつけた
オイオイ、私に甘える前に紫原くんに懐くのか私の力よ。
「アンタさー牛鬼のなり損ないでしょ」
彼が踏んづけているのは恐らくこの塊の核だ。
そうでなければ彼の方に捨て身を置いて私のところになど来たりしない
「あゝ、気づいテたのか」
「そこまで『喰うこと』に躍起になって、俺の血分をしてる白雪ちん狙うなんて心当たりソコくらいしかねーし。お生憎様だね、俺はアンタにとってトロくてもバカではないんだよ」
「そノ通りだ。腹ガ減ってシょうがなイのさ」
お腹が、すく
その言葉にごくりと私は喉を鳴らした。
なんでだかこの牛鬼のなり損ないという妖怪からその言葉を聞いて、私の中の何かがずくりと音を立てて脈動した
「……白雪ちんー?」
「敦くん、わたし、」
その妖怪、食べたいな
言ってからびっくりして口を手で塞ぐ。
な、何を言っているんだろう。
意識がそちらにしかいかない、敦くんの声も聞こえなくて、妖怪の口が恐怖に震えて動く
た
ス
け
て
『救われないモノもいるんだ』
甘い声が脳内を反芻して、それに呼応するように、敦くんの元で甘えていた私の生み出した妖怪が。
バクリと妖怪の寄せ集めを喰らった
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