2017/04/14 Fri
始まってすらいない


数日後に新入社員がやってくる。私はその人のメンターになる。とても気が重い、どうしたらいいのかよくわからない。血迷いすぎて行きつけの美容院でショートカットにしてストパーかけると言ったら、「あなた血迷いすぎだわ」とお姉さんに窘められて、結果数センチ切って終わった。

上司は「自分の色に染めていけることが楽しめるようになる」と言っていたけれど、そんな残酷なことが楽しめるなんて、よほどタフな精神をお持ちだなと思った。

何が良くて何が良くないことなのか、私はあまり判別できない。私が「なんでそんなことするんや」と思ったことにも、他者にとっては何かしら考えた過程があって、受け取る側にも捉え方の選択肢が沢山ある。それに良いことだ悪いことだと判断をして、良くなかったら指摘する。無理だ。多分ぜんぶ「ええとおもうで」に完結する。


私の所属する部署では、仕事をごりごり進めるタイプと、そうでないタイプと、はっきり分かれている。前者の先輩が私のメンターになってくれたから、私は仕事が山ほどあっても全力で進めようと思えるし、自分が学んで引き出しを増やすほどお客さんのためになるという実感を持って仕事ができる。けれどそうではない先輩が上についていたらどうだろう。私は今と同じ気持ちで働いていられただろうか。一つ上の、後者のタイプの先輩も、後者のメンターがついたからそう考えていただけではないだろうか。

そのことばしか知らないから、そのようにしか着眼点を持つことができない、ということは、少し実感できている。どのようなことばでメンターに教えてもらっていたか、それはとても重要なことなのではないかと思う。

小学生の子どもが持つ着眼点は、親の影響を強く受けているだろうから、子どもが子どもらしくない汚れた思考を持っているとするならば、それは親がそのように子どもに対してことばを使っているからなのかもしれない。私のテストの点数を妙に気にかけてライバル意識を燃やしていた小学生の頃のクラスメイトの男の子は、本当に自ら私の点数を気にかけようとしていたのだろうか。親が気にしているから、子どもにそれが伝わっていたのではなくて?

どのようなことばで伝えるか、自分の経験や過程をどれだけ伝えられるか、一問一答ではなく、けれども話しすぎないように、ともに勉強できればそれでよい。もうひとりのメンターは私よりも二年多く働いているひとで、こういう立ち位置の相談はしにくかったので、飲み屋で初対面の人と話すたびに質問しまくった。回答をまとめるとそんなかんじ。ほどほどに頑張りましょう。



 


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