2019/01/09 Wed
ゼミ会1


ここからゼミ会のための覚え書き

参考文献
○小川洋子『人質の朗読会』(中央公論新社、2014年)
○ウィトゲンシュタイン著、野矢茂樹訳『論理哲学論考』(岩波書店、2015年)
○ハイデガー著、熊野純彦訳『存在と時間(一)』(岩波書店、2013年)
○レヴィナス著、合田正人/松丸和弘訳『他性と超越』(法政大学出版局、2001年)
○ディディエ・フランク著、米虫正巳/服部敬弘訳『他者のための一者 レヴィナスと意義』(法政大学出版局、2015年)
○ジュディス・バトラー著、佐藤嘉幸/清水知子訳『自分自身を説明すること―倫理的暴力の批判』(月曜社、2008年)
○宮本純男著、実存思想協会編『実存主義思想論集XXU(第二期第十四号)レヴィナスと実存思想』(理想社、2007年)
○仲島陽一『共感の思想史』(創風社、2006年)
○鹿島徹『可能性としての歴史 越境する物語り理論』(岩波書店、2006年)
○鷲田清一『語り切れないこと―危機と傷みの哲学』(角川学芸出版、2012年)
○アイザック・アシモフ『I, ASIMOV: A MEMOIR』(Doubleday、1994年)
○P.E.S.「15. 書き始める」http://okemos.hatenablog.com/entry/20090508/1241765219
○メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』 https://www.aozora.gr.jp/cards/001176/files/44904_35865.html


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1.何のために語るのか

『人質の朗読会』p12
ただ思いつくままに喋るのではなく、きちんとした書き言葉にした方が正確に伝わる。書くための集中した時間を持つこともできる。
(略)
今自分たちに必要なのはじっと考えることと、耳を澄ませることだ。しかも考えるのは、いつになったら解放されるのかという未来じゃない。自分の中にしまわれている過去、未来がどうあろうと決して損なわれない過去だ。

『論理哲学論考』p39
 思考は言語で偽装する。すなわち、衣装を身にまとった外形から、内にある思考の形を推測することはできない。なぜならその衣装の外形は、身体の形を知らしめるのとはまったく異なる目的で作られているからである。  日常言語を理解するための暗黙の取り決めは途方もなく複雑である。

・私は他者のことばから、言外の意味を連想する
・なぜ今そのことばを使うのだろう、今その話にもっていくのは何のためか、あなたの苦しみは私にはわからない、この共感のことばで満足なのだろうか
・私が「わかる」と言って、目の前の他者はそれで満足しているのだろうか
・にもかかわらず、他者が私の前で自分のことを語る/語り続けるのはなぜか



 


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