2016/08/28 Sun
群像を遠く眺めて




本を読む暇がないので、たまにはお仕事の話。


仕事に追われて休日は寝て過ごすか休日出勤するばかりの毎日で、本当に身体がしんどくて仕方ない。会社で日にちが変わる瞬間を過ごすことも多くて、もはや会社に泊まりたい。おめでたいことが続いて、一人あたりに割り当てられる通常の業務の量が増え、同じ部署の人たちは誰も誰かを手伝う余力がない。一度仕事を抱えたら最後、自力で進める以外の方法がない。

通常業務とは別に、一番下っ端として参加させてもらっているプロジェクトは、ただでさえ人手が足りていないのにメンバーの一人が大怪我をして担当を外れることになったし、プロジェクトのメンバーが誰も解決できない事案に直面して、納期に間に合うのかこれ…って皆が思っている。別の部署から技術者を引っ張ってきて、それらの製品を開発した会社に電話しまくって、プロジェクトのトップの先輩はもう顔が死んでいて、並行して進んでいる別のプロジェクトもやっぱり死にそうな状態で、皆で会社で0時を迎える。

追い打ちをかけるように、協力会社さんのミスでマシントラブルが起きて、メンターの先輩もその部門を担当していた先輩もいない今、ひとりで対応せざるをえず、下がらないマシンの負荷を眺めながら、あと数年このマシンを使い続けてトラブル対応し続けるのか、とか、もうこの担当から外れたい、とか、会社辞めれば担当から外れるんだよな、とか、マシンの前でひとりぼんやり本気で考えていた。でも私が辞めたらまた別の誰かが同じことを考えなきゃならないんだから、辞めるならこのマシンを粉々になるまでレンチで殴りまくって、それから辞めなきゃならないなと思った。まあ短期的に見れば解決したから良かったけれど、長期的に見れば何も解決していないからげっそりする。
後からやってきた協力会社のおじさんに「来ていただいて心強いです」「ご迷惑をおかけしてすみませんありがとうございます」と半泣きの猫なで声で伝えたら、「いいよいいよナナオちゃんのためなら云々」と言っていたけど、「貴様のせいでこのざまなんだから責任とるのは当然だろう」と思っていることに、そろそろ気付いてほしい。

午前一時に帰宅して、目覚めたら午後三時、二度寝して午後九時、シャワーだけ浴びて三度寝したら翌日の午前十一時だったから、圧倒的に睡眠が足りてない。もう少し残業が控えめになってほしい。





いつもにこにこして先輩を立てて失礼のないように振る舞う奴だと認識されているのか、他人をサンドバッグにするタイプの女性の方々と組むことが多くて、サンドバッグにされながらもにこにこして生きてる。

けれどこのまえ、本当に時間に追われて仕事をしているときにサンドバッグにされて、あなたに構ってる暇なんてないのになぁと思ってしまって、にこにこするのをやめて剣呑な口調で対応してみたら、先輩はきゃんきゃん喚いていたけど、私はとても気持ちよかった。そりゃあこれだけ気持ちよかったら、人をサンドバッグにしたくてたまらなくなるだろうなぁと思った。自分が気持ちいいときは、人をサンドバッグにしているかもしれないということだから、注意して自分の行動を慎まなきゃならないなと思った。





仕事をしていてしんどいことはいろいろあるけれど、一番負担に思うのは他人の愚痴を聞くこと。そんなの本人に言うたらええやん、と思ってしまう。本人に伝えないのは立場とか昇進とかいろいろな理由があると思うけれど、どうせ陰で悪口を言っていれば「あの人は陰口の凄まじい人だ」と広まっていくのだから、本人に言うかあるいは黙るか、どっちかにすればいいと思う。

プロジェクトのトップの人にマシンの設定について教えてもらっているとき、写メで記録する暇すら与えてもらえないから、「あなたの手があいていないときに手伝いたいと思っても、これではまた一からあなたに聞かなきゃならない」「文学部なんて何の糧にもならない勉強なんてせずに、情報系の勉強をしておけば、あなたの手を煩わせることもなかったのにと思うと、時間を無駄にしたと口惜しく思う」と直接伝えた。後者についてはまったくの出鱈目だけど。そう言えば少しは傷付いてくれるだろうと思ったから口にしただけ。

愚痴ばかり言う先輩に「私は直接こう言ってしまいましたけどね」と伝えたら、「えっなにその面白い話、ちょっと聞かせてよ」と言われたけど、遠回しにディスられている文脈に気付けないとか、文学部で勉強した方が良いのではないかなと強く思う。


ことばを、表面的な意味でのみ解釈してしまう人は世の中に沢山いる。そうでないように心掛けられるだけでも、私はまだ幸福な方だと思う。言外の意味なんて、自分の解釈の枠からは逃れられないけれど、それでもそのことを知っているか知らないかというのは、とても大きなことだと思う。解釈の枠を少しでも拡げていきたい。文学部で勉強しておいて本当に良かったと再認識しているところ。



 


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