海なんていつ振りなんだろう。今日は明王君達がサッカーの世界大会へ出場した時の仲間たちが沢山集まっていると鬼道君から聞いた。女の子達もちらほらと。
「あれー?秋はどうしたんだ??」
「木野さんなら来ないそうよ、体調が悪いそうよ」
木野 秋
聞いたことある名だった。まみが私の他にもイジメていた子。そして 入学してすぐ私をハメてトイレに連れていったりした子。別に今では気にしていないけど…あの子もサッカー部のマネージャーだったのか。
「〇さん!お久しぶりですね!」
「春奈ちゃん…あの時は色々ごめんなさい」
「いいんですよ!謝らないでくださいよ! あ、そうだこっちに来てください皆に紹介します!」
手を引っ張って連れていかれる
そこには髪の青い女の子とピンクの女の子、そして先ほど円堂君と話していた女の子がいた。
「〇◎さんです!なんとなんと…不動さんの彼女さんです〜!」
「えーーー不動の!?」
ピンク髪の女の子が叫ぶと
水色髪の女の子が私の顔をじとーっと見つめる。怖くて目を逸らすと「ま、負けた…」と聞こえて え? 負けた?何が?
「めっちゃかわいーーーやん!」
「あ、ありがとう…」
女の子から可愛いなんて言われるの初めてだなぁ…そういう(リカさんというらしい)リカさんもよく日に焼けた肌とふっくらした唇、でかいくりくり目が可愛いのに…。
「不動!アンタこの子どーやって落としたんや!?ちょっとこっち来て説明してみー?」
「うるせぇよパギャルが」
「誰がパギャルやねん!いてこましたろか!」
「ほら、◎行くぞ」
「あ…うん」
いやーーーんあの二人手ぇ繋いでるぅ!
リカさんの声に私の知らない子たちもこっちをなんだなんだと見てくる。「ひゅーー不動やるぅ!」「お前には勿体ないくらい可愛い子だな!」「不動さんくたばれ!」「虎丸それは暴言だ」「てへっ!中学生になったばっかで善と悪が分からないです!」「お前もう二年だろうが」「あっはは!!」なんて騒がしくて温かい人たちなんだろう…虎丸って子はすごく怖いこと言ってたけど。
「っだーーーー!お前ら本当にうるせぇ!」
「ぎゃー不動のお怒りだ―!皆逃げろー!!!」
鬼ごっこが始まっちゃった。
遠目で円堂君達を眺める
〇の姿、私のせいで…
ごめんなさい。
あの日、私は△さんに言われて殴られた〇さんは屋上に連れていかれたと言いなさいと言われて言う通りにした。
だって…あんなことになると思わなかった…
「〇さんは今どこに…?」
「今ぁ? うーん何処だと思う?」
「…」
「倉庫よ この近くの」
「な、何をされているの…?」
「決まってんじゃない たのしーこと、レイプとかぁリンチとかぁ〜うふふ」
血の気が引くとはこういう事なのだ、とその時感じた。息ができなくなって全速力で走る。円堂君を見つけて近くの倉庫にいると告げた。
だけどもう遅かった
「…っ、ごめんなさいぃ…」
その声は誰の耳にも届きはしなかった。
すっかり暗くなって、みんな帰りの車の中で眠りにつく。明王君は起きていて私の髪を撫でている。少し潮の香りがする。楽しかったな、はじめてできた女の子の友達。リカさんはすごく口が悪くて関西弁がたまに意味が分からないやつがあるけどお姉さんみたいで素敵。塔子ちゃん、塔子ちゃんはなんとあの総理大臣の娘さん…!凄く男勝りで面白い子。雷門さんはお嬢様でお上品、だけど怒りっぽい…そして優しい子だった。春奈ちゃん、ずっと気遣ってくれて 頼れる子。勇気を貰えた日だったな。明後日は学校に行こう辛くても立ち止まってはいけない。
20131221
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