お昼休みまで何事もなく過ぎた。そりゃ 視線は怖かった。だけどそれに勝たないと。焦り 焦りが支配している。明王君との事も焦った…もしかしたら私から離れていってしまうかも。怖い、焦り なんで 上手く前に進めないのか。



「◎さん、ごはん行きましょう」

「あ 木野さん」

「部室行こうか皆で食べましょう」

「うん」



なんだか木野さんってお母さんみたい、包容力?っていうのかな 私とは正反対の子。木野さんは彼氏とかいるんだろうか?そんな話を心置きなくしてみたいな。今度二人で遊びに行ってみようか、な…。






「うわーーー不動の弁当〇の手作りか!?」

「羨ましいだろォ 円堂」

「うまそーー頂きっ!」

「あっ、こら 卵焼き返せ!!!」



ぎゃーぎゃー騒ぐ2人を止める木野さん、あきれた様子で でもすごく楽しそうに笑う皆。私もつられて笑った。



「〇、いい顔で笑うようになったな」

「え?」

「確かにな 本当に楽しそうに笑っている」



鬼道君と豪炎寺君の言葉に静かになり皆の注目を浴びる。



「もしかして 不動のせぇじゃねーの?」

「佐久間っ!」

「あ、こいつ照れてる」



真っ赤になって笑う不動君

ついこの前じゃ考えられないな…本当に色々な事があったなぁ












練習を終えて制服に着替える、なんだか◎のマネージャー姿は面白い。木野に教わってドリンクを作って俺に持って来ようとしたんだろう盛大にぶちまけて皆べたべたになるし サッカーボールをこちらに投げる時なんか訳の分かんねぇとこに投げるし…だけど練習中も見て入れる、安心感と一緒に居れることへの幸福感。



「◎、今日はどうだった??」

「今日はー 何ともなかったよ」



本当に、表情を見る 確かになんだかほっとしているような…感じだ。なんだか 安心したら腹減ったな。









風呂上り、二人でテレビをみていた。もうすっかり◎の家になれちまって自分の家みたいに寛ぐ。



「明王君といるとね ほっとする」



いきなりの言葉に何故か昨日の◎からのキスを思い出す。



「俺も」


「明王君」



はじめの◎の時とはえらい違いだな、成長だな。よしよしと頭を撫でると甘えてくる。



「き、す したい」

「はまったのか 俺とのキス」



まるでリンゴだ、真っ赤。可愛い。昨日みたいに長く長くキスを続ける。昨日より積極的な◎、徐々に慣れていけば 平気だろうか。女じゃねぇからよくわかんねぇけど ゆっくりと昨日のように耳に触れた。今日はびくっとするだけ。進歩、か?耳に触れて、首をすーっと撫でる。これもびくりとしただけ。



「怖くねぇか」

「うん…」

「怖かったら絶対言えよ」



わかった、か細い声。ここじゃあれだからテレビを消してベッドに連れていく。照明を少し落として昨日の続き。キス、色んなところにキスをする 唇 首 耳 頬 手 鎖骨 あまり音を立てないようにゆっくりと。ちらっと◎を見ればはぁっと息を吐いている。まだ大丈夫か?ゆっくりとTシャツの中に手を入れる震えている「…やめるか?」 「大丈夫、手が冷たかっただけだよ」 ゆっくりと続けた。



「◎、こっち向け」

「んっ」

「お前の目の前に居んのは俺だ、不動明王だ」



恐怖を取り除くのはどうすればいいか、わからない。こうするのが正しいのかも分からない。だけどやってみないとわからねぇ。胸に触れると反射的に身を縮めて目をきゅっと瞑る。



「目空けろ、俺を見とけ」

「…うん」

「痛くないか…?」

「大丈夫だ、よ」



少しだけ撫でるように触る。ここにも確か痣があったな、揉まずに触るだけ 見つめあいながら時々キスをする。震えはすっかり止まっていた。



「明王君…、好きだよ」

「あぁ 俺も」

「初めて会った時変態モヒカンなんて言ってごめんね、実は優しくて凄くいい人だったのに」



あったりめーだ、そう言っておでこにキス。少しくすぐったそうに身をよじる。胸を撫でていた手をゆっくりTシャツから取り出してぎゅっと抱きしめた。



「寝るか」

「うん、明王君 好き」

「俺は愛してる」



ふふふ、可愛い顔で笑って寝た。そうだな こうやって 毎日毎日していけばもしかしたら少しは恐怖から解放されるか?分からない。

分からない、だけど こいつも前に進むって言ってんだ。俺だってこいつの痛みを取り除きたい。





20131223


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