「彼氏はいるんですか?」
彼氏ではないのにヒロトの顔が頭にちらりと、私の為にしてくれていることはきっとただのお節介。私みたいに可愛げのない女なんて誰もほしがらないもの。
「いませんよ」
「よかったぁ…僕もなんです」
「そうですか」
わざとらしい。そう感じたがどうでもいい、身を任せてしまおう。
その後、男から連絡はきたが返さずにいた。あの男、避妊具をつけずにしようとしたり気持ち悪い事言わせたり本当にムカついて途中で帰ろうと服を着ていると「金持ってる男逃がしていいのか」「付き合ってやろうと思ったのに」なんて、急所を蹴り上げて帰ってきた。1日たった今でもむかついて仕方ない。
「浮かない顔してどうしたんだい」
家の前にヒロトが、今日も緑川の姿は見えない。
「ヒロト、お疲れ 入る?」
「お邪魔しようかな」
「そのつもりだったんでしょ」
なんだか 胸がどきどきしてくる。10年前を思い出しちゃうなぁ。
「へぇ、そんな事が」
「そう 本当にダメンズがね私を選んで寄ってくるの、いい加減にしてほしい」
「〇がしっかりしてるからだよ」
もうすっかり酔いが回ってしまった〇、止めてるのに飲み続けて真っ赤だ。正直男の話をされるのは嫌だったけど蹴り上げて帰ってきたなんてなんだか〇らしくて面白い。笑えば何笑ってんの!と怒って俺の肩にぽすんと全然痛くない頭突き。
「なんだって皆こんなに私をばかにすんの かね、おとなってたいへんだぁーーー」
「ちょっと飲みすぎ…」
「ひろと」
肩から頭が落ちて俺の胸にダイブ
「…疲れた?」
「うん、女疲れた」
「頑張りすぎてるんだよ、もっと肩の力抜いて 頼ってよ」
「嫌…頼ったら弱くなる」
そんな悲しいこと言わないでよ。もう寝てしまったのか、担いでベッドに寝かせる。
「俺は君を守りたい、もっと…」
近くに入り込めたらどんなにいいだろうか。もう俺達は子供じゃないのか、リビングのソファーに横になった。
20131227
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