明け方物凄い痛みで目が覚めた
トイレに駆け込んで下着を見れば生理…
「はぁ…」
トイレにかかってる鏡に映る自分の顔、落としてない化粧のマスカラがぽろぽろと頬についてて…酷い顔。一旦トイレから出て下着を取りに行く途中ソファーに寝ているヒロトを見付けた。
「ヒロト…?」
「ん…」
「風邪ひいちゃうよ」
手には書類を掴んで眼鏡をかけたまま寝ている、あ 何だか10年前にもこんな事…。落ち込んでるヒロトを励まそうと思ってそっと部屋に行ったらこうして寝てたな…サッカー雑誌しっかり掴んで 悔しそうな顔して寝てた。
あれから10年か…
「おやすみ、ヒロト」
一瞬 ほんの一瞬だけどもしヒロトみたいな男と結婚したらどうなるんだろう、って。頭を過った、だけどそれは私にとって恐怖だった。毛布を掛け下着を取りまたトイレに向かった。
会社に着き一番に私を襲ったのは生理痛、何だって私の子宮はこんなに狂暴なのか。薬を飲んでも効かない、色々試したけど全然効かない。
「〇さんっ!?顔色滅茶苦茶悪いですよ!!」
「…うん」
「ちょっと…!」
お腹がじくじくじくじくまるで中から何かが刺してきてるみたいな痛み。一瞬意識を手放しかけた。
「〇、そんな所で座り込まれると邪魔だ」
こんのクソ上司。ぎりっと歯を食い縛って立ち上がるが、ズキンっと痛みが走りまた座り込んでしまった。
「どうしたんだね」
「〇さん…月のものみたいで…」
「…フンっ、まったくこれだから女は 体調管理もできんのか」
最高潮の怒りが押し寄せた。
「生理痛が薬で治ると思ったら大間違いなんだよ…大体体調管理ができてない? 子宮とればいいんですか!?本当にあんたみたいな男気持ち悪い!!!!!」
言いたい事すぐ言う癖直さなきゃって社会人なりたての時決めたのに、やってしまった。でもすっきりしたのは事実、周りの女性社員達の拍手がなんだか恥ずかしい。上司をちらっと見ればわなわな震えて、拳を振り上げた。
今日は…というか◎と再会してから緑川に仕事任せっぱなしにしているから昼まで時間があった。
◎は少し寝坊したみたいで顔色が悪いのに仕事に行ってしまった「合鍵、出る時閉めてポスト入れてて」と死人のような顔で行ってしまった。やっぱり送っていくべきだったかな…なんて、考えると自分の携帯とは違う着信音。
ベッドを見れば◎のスマートフォンがやかましく鳴っている、仕事道具を忘れて行っちゃうなんて ちょっと抜けたところは10年前のままだ。急いで上着を羽織ってタクシーをつかまえて◎の会社に向かう。
ついて受付の嬢に聞いて上のフロアに向かうとうずくまっている◎と手を振り上げている男の姿、急いで走って腕を掴めば驚いた顔で俺に怒鳴る男。これが◎の言ってた嫌な上司かな。
「誰だお前は!部外者が入ってくるな!!」
「申し訳ございません、〇さんに忘れ物を届けに来ただけなので」
「ヒロ、ト…なんで」
「立てるかい?」
「…っ、」
声を出すのさえ辛いのか
真っ青な顔でがたがた震える◎、救急車を呼んだ方がよさそうだ。携帯で救急車を呼べば先程まで黙っていた上司が大きな声で「たかが生理に救急車なんて大げさだ」と言い出した。
「たかが生理と言えるのは 貴方が品が無く、無知な男性だからですよ」
「なんだと…!?」
「女性の気持ちを理解しようとしない男性が上司だとここの女性社員達はさぞかし…大変でしょう」
ちょうどよく救急隊員が到着、一緒に救急車に乗り込み病院に向かった。
「なんなんだ…あいつは!!!!!」
「やだーー〇さんの彼氏??」「すごいかっこいい!」「優しそう!」「いいなぁああ」
「お前ら散れ!仕事に戻れ!!!!」
〇…この俺に恥をかかせやがって…許さんぞ…!!!
20131229
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