意識は朦朧としてるけどしっかりヒロトの声は聞こえていた。凄く嬉しくて涙が出そうになる。だけど生理痛で倒れた挙句、上司を怒鳴りつけてしまった。
一つの悪い評判で 今までの良い評価全てが台無しになる、はぁ 気持ち悪くなってきた...。
救急車に乗せられて体温、血圧を測る。人差し指にクリップをつけて押し寄せる痛みに耐えていたらすっと、ヒロトの手がお腹を撫でて…
「◎、無理しないで」
本当に心配そうな顔、いつの間にかすっかり男になったその手が服越しなのに凄く温かい、自分の手を重ねるとヒロトの驚いた顔。
「ヒロト、ありがとう」
「当たり前でしょう」
「私ヒロトみたいな男…が……いるなんて思わなかったから」
ヒロトが好きと言いたかったのに変なプライドが邪魔をして、言えなかった。しかも救急車だし。だけど...
「俺みたいな男しか、君と付き合えないと思うよ」
「え?」
「君を守らせてほしい」
眼鏡の奥の緑の瞳 その意志の強い瞳だけは、10年前と変わってない。思わず涙が出てしまった。
「…感動泣き?」
「うん、感動泣き」
「じゃあ、俺が君の事そばで見守るよ」
救急隊員の存在を忘れていた私達 こほんっという咳に二人で顔を見合わせて笑った。少しだけ、少しだけだけど生理痛が和らいだ。
病院から帰って緑川に今日も頼むと電話を入れた「ちゃんと仕事してくださいよ〜社長?」なんて笑いながら言う緑川 まったく、いいパートナーだ。
「ヒロトごめんね、ご飯作ってあげられないや」
「いいよ 俺が作るから」
冷蔵庫を開ければお酒とおつまみ。まるでこれじゃおじさんの冷蔵庫だ、なんだかそれも可愛くてくすりと笑い少量の野菜でスープパスタを作る。椅子に座るとお尻が冷えるかな?なんだか心配だったからベッドに運ぶ。
「机で食べるよ」
「身体冷えて痛くない?」
「んー…やっぱここで食べる」
にこりと少しだけよくなった顔色で笑って、スープパスタを頬張る◎。
「んーこれ美味しい!」
「よかった」
「良いお嫁さんになれるね」
「俺がお嫁さんなの?」
なんて、幸せな会話。いつぶりだろうか ◎を見ると幸せそうに食べてて嬉しいな。
20130101
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