Just Give Me A Reason
女が行っちまってから俺は部屋をうろちょろうろちょろ、そしたら俺の後ろをずっとついてくる犬。なんなんだよ。
「何だよお前!」
怒鳴ると逃げ出すでっけー犬、だが部屋の隅にもう1匹ちっせー犬がいた 俺を見ている、一つしかねぇ目で。
「お前、目」
片方の目は無い、よくみれば包帯まかれて、足も一本無い。
なんだこいつ
素直な感想だった。
「おい 犬、お前なんでそんな身体なんだよ」
じっと見つめる、って俺は何で犬なんかに話しかけてんだ。そしたらすりっとしゃがんだ俺の足と足の間に入ってきて一つしか無い目で俺を見つめてる。
「なんだよ」
答えるわけないって分かってる
「ワン」
控えめに吠えたソイツはびびってんのかぎこちなく尻尾を振ってる、頭撫でろってか?ってなんで俺は気持ちが分かんだよ…。撫でれば嬉しそうに尻尾をぶんぶん振って俺に飛びついてきた、その犬の顔がなぜだが 俺みたいだった。
12時になって餌をやる。犬用、でっけぇ犬用ちいせぇ犬用 あいつ一人で毎日こんなのしてんの?大変だな。って。俺はなんだかおかしい。
「おら 食え」
美味そうに飯食ってるこいつ等を見てから机に置かれた金を見る。1万か、あいつなんで俺にこんなにしてくれんだよ。
「わんっ」
足に飛んでくる片目の犬抱き上げる、前足がないから痛てぇかな ソイツを抱いたまま寝てしまった。
「あらら〜」
椅子に座ったまま犬を抱いて寝てる明王、お金はそのまま。もしかしたらお金持ってとんずらしてるかと思った。ゆさゆさ揺さぶるとぱちっと目を開けた。
「明王、おはよう」
「あ …おはよ」
「挨拶したーーー可愛いい」
「うるせぇくそ女!!!」
「はいはいごめんねぇ、てかその子明王に懐いたの?」
「あぁ、こいつから」
びっくりした、この子は私にすら懐いてないのに。似た者同士だからかな…
「ねぇ、この子はね」
「あ?」
「目と足を前の飼い主に潰されたの」
「……はぁ?」
心底驚いたって顔
当たり前よね、私も見た時本当にびっくりした。
「その子はね、愛されたかっただけなのに 前の飼い主が虐待の為に飼ったのそして…」
「…んだよそれ」
「私にも懐いてないこの子が明王に懐いた」
「…」
この家に居る間だけでいいから、この子の面倒を見てみない?それが明王にもいい事じゃないかって、思っただけだけど。きっと断るだろうなって思ったら…
「俺は人を信じねぇし、犬も嫌いだ だけどこいつは…」
嫌いじゃねぇ
少し照れたように言う明王にほろり、涙が出た。
20140102