Just Give Me A Reason
夢の中で俺は母さんと父さんの間に立ってて、遊園地で甘いお菓子ぬいぐるみなんか買い与えられて...幸せそうに笑ってて。それから暗闇に落ちたと思えば、怒鳴り声 泣き声に包まれた。
母さんは俺に人の上に立てとそう言って、何処を見てんのかわかんねぇ目が細められた。
起きればすっかり見慣れてしまった場所。味噌汁の匂いがして、ここはあったけえってまた再確認した。起き上がろうとしたら俺の腹の上にフドウが寝てた。
「おら、起きろよ」
指で脇腹をつっつく。目を開けて俺の指をべろべろ舐めて、また寝やがった。
「しゃーねぇー」
抱き上げて居間に向かう。机の上に並べられた料理、ほかほか湯気を立ててる。
「あ、おはよう明王にフドウ」
「はよ」
座って飯を食う、膝の上に乗って寝てるから食べづれぇ。
「今日どっか行こうか明王」
「あ?何処に」
「どこがいいかなぁ〜」
笑ってこちらを見てる。その顔に どきっと俺の心臓が騒いでる。
ショッピングモールに来た、明王の服を買う為。
「どれでもいいよ 好きにかいな」
「…どれでもいいつったって」
ごにょごにょ言っててうるさいから、またピンクの服着せるよと言ったら嫌だ!と叫んで服を探しに行った。なんだか 面白い。
「これなんてどう?」
「…もっと派手なのがいい」
「えーーシンプルイズベスト違うの??」
「他の奴とかぶんじゃん」
「そっかーー」
明王が手に取るのは全て派手。青の豹柄、ピンクのシャツ、赤いパンツ、ダメージ加工された白いTシャツぽいぽいぽいぽいかごに入れていく、いや 安いからいいんだけどね…! それにしても派手でセンスあるもんだからお姉さんびっくりだよ。
「おい ◎」
「うん?……え、名前」
「あんだよ 悪ぃかよ」
「……嬉しいの!」
きめえ顔で笑うなよな、自分の頭をぽりぽりかいて私を見る。どきっと、ちょっとだけね かっこいいなぁなんて。赤いピアスがきらりと光ってる耳、ぽつぽつ開いてるピアスホールがなんだか痛々しい。
「おい、これお前に似合うぞぜってー」
「えーー派手じゃない?」
「似合うって 着て来いよ」
払うの私なのに…そんなとこは子供っぽくてかわいいなあ。ほい と渡された服。黒いワンピース、金魚みたいに裾がひらひらしてて、お腹の部分が両サイド開いてる。これ私が着るの…?
「これ私が着んの…?」
「お前若いくせにばばくせぇ服着てっからな」
早く行って来いよって、そんな目で見ないで!
20140104