用紙を受け取り家に帰って、妊娠特有の眠気に勝てずそのままベッドに沈んだ私。相手のサイン どうすればいいのかな、母親のサインどうすればいい?ずっと...私自身大人だと思っていたけど、結局何一つ自分の力ではできない。何にもできないどころか、1つの命を奪うのだ。



「私って何のために産まれてきたんだか」



目を覚ました私は、自分のいい加減さに笑いが止まらなかった。私なんか 産まれてこなければ良かったのに。










「◎、これは何?お母さんに説明して」



鼻声の母親は泣いていたのか、怒りの篭ったいつもの声ではなく 絶望で色づいた声色だった。ぼんやり そんな母親のことを考えていると平手打ちが飛んできて よく見ると右手に中絶手術の用紙と妊娠検査薬を持っていた。

ああ、ばれちゃった。



「関係ないじゃない」

「関係ない…!?」

「そう、関係ない」



冷めきった態度をとってるけど私は助けてほしかった、だけど 耐えきれずに携帯だけを持って家を飛び出した。



「吹雪さん…早く来て」



あの、河川敷に。











「どうしたの?」



青ざめている彼女を見て、僕はできるだけ優しく声をかけた。少しだけ赤くなってる頬に冷たいミネラルウォーターを当てる ひんやりして気持ちいいのか少しだけ目を細めて「ありがとう」と呟いた彼女は 初めて会った日と同じ顔をしていた。



「で、何があったの?」



呼んでおいて、話をしない...。言いにくい事なのかもしかして、また売春をしたのかな...?何も言わない彼女に対して 少しだけ苛立ってしまう僕。

ごめんね ただ君が心配なんだ...





20140121

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