その日は雨が降っていた。

ザァアアアっと降り注ぐ雨の中で、傘をさしてお母さんと共に歩く。男性は中に入れないから吹雪さんは手術が終わってから車で迎えに来てくれると電話が...。怖いよ 逃げたいよ 産みたい...産みたくない...!嫌だ!初めて経験するこの恐怖に震えすら起こらない。血の気が引き 自分の身体じゃないみたいに冷めていく。

歩いて向かった部屋の真ん中には機械が沢山繋がれた椅子が...その椅子に乗りたくないと全身の骨が動こうとしなかった。

看護婦さんに身体を支えられ器具をいれられた、しばらく経って麻酔を...一瞬で 意識を手放した。










目が覚めるとそこは殺風景な白い部屋だった。



「ん…お母さん…?」

「……あ、起きたの」



布団が濡れてる、きっといっぱい泣いたんだ。いっぱい、いっぱい 傷付けてきた。



「ごめんねお母さん」



ぎゅっと抱きしめられた 母親の愛というのは偉大なものだ、抱きしめられただけでまるで幼子のように涙が止まらない。





20140123

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