起きれば目の前にはクソババァ、上には毛布がかかってた。気持ち悪いなぁ、毛布を適当に放り投げて起き上がる 化粧をしたまま寝てたからマスカラが目に入って痛い、手首を見ればマスカラがついてた。

ごしごし擦ったって取れはしない、黒く線が残るだけ。



「8時」



遅刻して行くか、シャワーを浴びて財布の中の金を自分の勉強机に。所々剥がれてるマニキュア、もう塗りなおすのめんどくさい。制服に袖を通して家を出る、ムカつくくらい晴れている空に吹雪さんを思い出した。



「どいつもこいつも イライラする」



8:48

完璧に遅刻、授業中の教室に足を踏み入れると一気にこちらに目線が集まる。誰かが「援交女」と楽しそうに呟いた。この近くのホテルに入ったのを見られていたか、別に構わない...どうだっていいけど...。私は愛されている錯覚に落ちればそれでいい。完璧な人間には分からないでしょうよ。

両親がいて 恋人がいて

愛されて 勉強ができて

そんな人間に私はなれない。
完璧じゃない、完璧にしないと、どうやってなるの?どうすればいいの。そういえば12時間をとうに過ぎているのにアフターピルをもう一錠飲むのを忘れていた。ごくんと喉を鳴らして飲みこんだ、避妊効果が期待できるかなんてわかんないけど...出来たら出来たか どうだっていい。











3時限が始まる頃、凄まじい吐き気に襲われた。吐き出さない様に深呼吸をして...教室で吐くわけにはいかないから ふらふらとする身体で走った。気持ち悪い、吐きそう。我慢して 裏庭に来たのに吐いてしまった。



「やばい…」



これで妊娠してたらどうしよ

死んじゃうか?あの男が言っていた通り 堕ろすか。考えたくない、その場に座り込んでその嘔吐物を見る、気持ち悪い まるで私だ。



「私もこうやってぐちゃぐちゃになれば」



そんな勇気無いくせして。屋上を見つめた、死ねるの?死ねないくせに偉そうに。私の中で誰かが囁く。切なさを壊すように携帯を取り出して 今日も私の存在意義を探す事にした。


今日の私はどれほどの価値だろう













今日の客は昨日より気持ち悪くない、ただ避妊はしない。その内私病気移されんだろうな…男がイって金を受け取る。この冷めた行為、私は本当に自分を見つけている?不安になって、ハイになってまるでドラッグ依存症のようだ。


お金は嫌いで大好き。

そして 私の価値を金額で見れる、ホテルを出たら吹雪さんが立っていた。












びっくりした

本当に援助交際をしていたのか、首にちらっと見えるそのキスマークは禍々しい呪いのようだ。なんてことをしているんだ、君は。



「なんか文句あんの」

「あるよ」

「なによ」

「やめようこんな事」

「…じゃぁ アンタが私を買う?」



怒りで頭が支配されるなんていつ以来だろう、冷静になるように深呼吸をして僕は◎ちゃんの肩を掴んで同じ目線になるように 屈んだ。



「君の身体に、命に 値段はつけられないよ」



酷く驚いたように目を見開き僕を見つめている。



「分かるかい?言っていることが」

「...わかるかよ」



ばっと僕を押しのけ走っていってしまった。



「なんで、そんな分かりきったことに対して 驚くんだい」






20140105

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