土日が終わってしまい月曜日が来た、すっかり薄くなった痣 腫れも引いた。今日は吹雪さんに会えるかなぁなんて思いながら制服に袖を通した、今日はいつもより薄めの化粧をしているせいか 視界がクリアに感じる。

校門を通り彼が居る訳ないのにグラウンドをちらちら見て、彼を探してみた。










無事に授業を終えて校門を抜けようとしたら、偶然...本当に偶然 音無先生を支えている吹雪さんを見てしまった。2人は親しそうに話していて、見た事のない笑顔で。やっぱり 私は独りなんだ 完璧な貴方が私を好きなはずない。



「大笑い…こんなの 大笑い……」



悔しくて涙を流さないように走った。いっぱい走っていつも使っているホテルの近くで男をひっかけて連れ込んだ、男の着ている上着を上から着れば制服は見えない。もうすでに泣き出しそうな私はいつもみたいに知らない男にキスをした。

キスをして 舌を絡めて 歯をなぞるように舐め唇を少し噛んで 耳を舐めて 首に触れて...。エレベーターからおりチカチカ点滅する”405”と書かれたパネルの部屋を開けて…入ろうとした時。



「僕の生徒に何をするんだ」



荒い息の吹雪さんの姿が...

男は吹雪さんを教師だと勘違いしたのか、金を投げ捨て逃げて行った。



「なんなの?」

「こっちのセリフだね」


手首を掴まれて部屋に押し込まれた、おびただしい量の汗が全身を伝う...私は震える身体で吹雪さんの手を振りほどこうとしたが...彼の力には勝てなかった。



「昨日約束したはずだよね、しないって」



怒ってる めちゃくちゃ怖い。目を合わせることが出来ない私の顎を痛いくらい掴んで 唇が切れるんじゃないかって思う程の荒々しいキスをされ、そして 思いっきりソファーに投げ飛ばされた。



「ねえ 答えて◎ちゃん」



着ている服を私にキスしながら脱いでいく吹雪さん...痛くて痛くて辛い 手首が千切れるんじゃないかってくらいに掴まれて肺がギューッと痛む。



「愛されてる気がするんだよね、僕が君に あの男達と同じような事をすれば 気が済むんだよね?」



青い瞳を燃やして私を睨みつける吹雪さん、また彼の舌が私の口内を襲う。ガリッと噛まれた 下唇...ピリピリする唇に唾液が染み入って痛みに顔をしかめる。

ワイシャツを乱暴に脱がして私のスカートに手を入れる吹雪さん、太ももに長細い指が...。



「やだ……やめ、てよ...!なんで私にこんなことすんの!」

「あの男とこういう事をするつもりだったんだろう」

「アンタには分かんないわよッ!完璧で幸せで 完璧な恋人がいる様な……そんな人間に私の苦しみがわかってたまるか!」



一気に言いたい事を言ってしまえば、頭の熱は治まり同時に息苦しさに酸素を欲する。沢山息を吸って吐くと 不安感は消えていた。

ぽたぽたと落ちてきたのは私ではなく、吹雪さんの涙。何で泣いてるの?



「僕は完璧じゃない...」

「完璧じゃない...!何不自由なく暮らして幸せそうに笑えて...お、となし先生とも付き合ってるんでしょう?どうせ親とも仲良いんだろうし……完璧じゃない、人間として」



骨が折れちゃうかもってくらい、そう思うくらいに掴まれた手首をやっと離した吹雪さんの目は 悲しげだった。



「僕には両親が居ないよ、音無さんは僕の大切な友人達の1人...それにね 僕は完璧ではないよ◎ちゃん」


「……なに?」


「僕の両親とね双子の弟は死んだ 僕が小さい時にね」



猫背になっていく吹雪さん、私の手を震えた指で触れる。そして困った様に笑うと「乱暴をしてごめんね」と 立ち上がり服を着て吹雪さんはベッドに腰掛けて宙を見た。



「誰しも一人では生きれないし、そして完璧な人間なんていないんだよ」



そう言って机にホテル代の1万円を置いて出て行こうとした吹雪さんに私は「行かないで」と叫んだ。






20140105

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