別れなんて、無いって思ってた。
最近 妙に私の事を避けてるなって、感じていたけど本当に急だった。半年間帝国の制服を着た 不動君がいつも通り私の事を学校まで迎えに来てくれて帰る、なんてことはもう1週間なかったけど それでも 別れるなんて思ってなかった。それくらい私たちふたりとも好きだったから。
「すまねぇ」
「なんで、急にそんなにこと言うの...?不動君...」
「高校卒業したら 俺は何年も海外に行く、いつ帰ってこれるか分かんねえし 向こうに住むかもしんねえし」
「プロにはなってほしい...だけど、3年後にさよならって分かってて 付き合えないよ...私...」
向こうに人生全部捧げてついていくよ!って、いつもなら言えるのにな。何の相談もなしに決めた不動君に少しだけ怒っていた、なんで?私に言ってくれなかったんだろう。
「俺は、お前の事 幸せにできねえのかな」
悲しいのは私なのに、なんでそんな顔するの。不動君、意地悪だよね。別れ話で泣く女なんて面倒臭いの分かってるけど 私は涙が止まらなかった。
「...ごめんな」
「夢のためなんでしょ、あやまんないで」
「......本当に 大好きだった、◎の事。こんな時でもお前の事がこんなに 好きなんだ...それだけは...」
「やめて!...言わないでそれ以上」
大きな声が出てしまった、不動君は驚いた顔を見せて すぐにまた 辛そうな顔になった。そんな顔されたらさ、余計に辛いのに。
「不動君、絶対 プロになって」
「...当たり前だ」
「私、幸せだった」
「っ...俺もだ、」
今まで、本当にありがとう。
精一杯笑顔を作って、泣いてる不動君には気付かないふりをした。私達本当にこれでお終いなんだな......。
恋の終って 本当にこんなに痛いんだ
知らなかったなぁ...、知りたくなかったな。
「ばいばい、不動君...」
▼
一人になった俺は、アイツが歩いていった方をじっと見つめてた。涙は枯れずに まだ流れてやがる...。なんで無理矢理でも、ついて来いって...言えなかったんだろうな。あいつの人生を 全て背負えないって そう思ってしまった。
ごめんな
暫くすると砂をふむ音がして、振り返った。
「不動...」*
「はは、ざまーねぇとこ見られちゃったな」
鬼道クンだった、泣いている俺を見て ゴーグル越しなのに分かるくらい目見開いてやんの。乾いた笑いしか出ない俺に、近付いた。
「これから3年間付き合えば 答えは変わっていたんじゃないか?」
「.........3年間も付き合ってから、こうなってたら 3年分辛いだろ」
「泣かせるのは早い方がいいと思ったのか?」
俺と鬼道クンはあいつが好きだった、最後には俺と付き合ったが 鬼道クンは「絶対幸せにしろ」って 言ってたな。半年前の事が 昨日の事のように鮮明に脳裏に浮かぶ。
「約束破っちまったな」
「本当だな、でも お前も辛いんだろ」
「...どうしようもないくらい な」
「そうか」
鬼道クンの事だからキレられると思ったんだけどな、なんて冗談ぽく言うと そのつもりだったが お前の顔を見たら言えなかった。と、ちくしょう こういう時に限って優しいんだよな鬼道クン。
「なぁ、鬼道クン」
「なんだ」
「俺じゃ幸せにできなかった」
「...そうだな」
「鬼道クン 頼むわ アイツのこと」
「.........わかった」
今あいつなら駅前にいると思う、いつも 俺と喧嘩したらそこに行くんだよな。言い終わる前に、鬼道クンは走って言ってしまった。
たく...頼むぜ。鬼道クン。
20180301( さよなら、愛しき君 )