鬼道(14歳)

「欲しいもの...特にないな、」



鬼道君は優しいから私に気を遣う、困り顔で私の肩をぽんぽんと叩いて「お前が一緒に過ごしてくれるならそれでいい」と言ってくれる。

だだっ広いこのお屋敷の、鬼道君のお家の中や鬼道君のお部屋には色々なものがあって 確かに物欲なんて湧かないのかもしれないけど...!私だって 鬼道君に何かあげたいのに。



「本当に本当にいらない?」

「ああ なにも」

「私と一緒にいればそれでいいの?」

「一緒に居てくれるのが最高のプレゼントだと思うのだが、ダメか?」



趣味のいいお部屋に置いている芳香剤の爽やかで甘い香りと鬼道君の甘い言葉のせいで、私は 急に鬼道君を抱き締めたくなった。

でも、手を繋ぐ以上の事をしたことがない私達は 抱き締め方もキスの仕方も知らないから 抱き締めたいけど一歩進むことが出来ない。もどかしいこの時間を 鬼道君の横に座って 見つめ合うことで誤魔化した。



「今日も髪の毛綺麗だな」

「デートの為に...頑張って巻いてみたんだ」

「可愛いな」



そっと 毛先に指が触れた、それだけでも 恥ずかしくて私は俯いてしまう。そんな私に気が付いた鬼道君は 私から少しだけ ほんの少しだけ体を遠ざけた。



「すまない、触れてしまって...」

「...鬼道君って 私の事、好き?」

「当たり前だ 何を言ってるんだ」


「......誕生日の日に その、私たち1歩だけ進まない...?」



鬼道君の顎と下唇の中間を人差し指で触れてみた、ビックリした顔を見せて 途端に赤くなる彼に...私は心臓が口から出てくるんじゃないかというくらい恥ずかしくなった。

私、なんでこんな 恥ずかしい事言ってるんだろう...!



「その、ごめん 忘れて...!!」

「いや お前がいいのなら、抱き締めたり キスをしたり...お前に触れてみたい...」


「本当に?」



赤くなったままコクンと頷いた鬼道君は、本当に可愛くて にやけてしまった。お互い少しだけ近くに座り直して 手を繋いで暫く見つめあった。



「1週間後 この部屋で、プレゼント あげるね...」

「ああ それまで 待てるように努力する」



片方の眉をあげて、鬼道君は 照れ臭そうに笑った。




20180306(プレゼントをあげたい)