「有人君 お誕生日おめでとう」
「ああ、ありがとう」
「24歳だね」
綺麗に並べられた色とりどりの食事達、すべて1人で作ったのか 俺の好きな渋みの強い赤ワインのボトルを赤いリボンで飾り付けてくれたのか いつもより華やかに見える。カジュアルな中にも品の良さを添えるためか 丁寧にセットされた髪や、いつもより少し派手なワンピース。全て俺の為のものだと思うと 誕生日というのは、いいものだなと グラスに注がれた重たい赤色をカラカラに渇いた喉に流し込んだ。
「美味しいよね このワイン」
「お前はもっと軽いのが好きだろ?」
「うーん、いつもはそうだけど...有人君の誕生日だし 好きなものを一緒に飲みたくて」
「...そうか」
グンと体温が上がるのが分かった、計算なのか天然なのか 俺が喜ぶ言葉を熟知してるのか...この完璧なワインのように完璧な彼女との ささやかな誕生日は幸せという言葉だけじゃ足りない。
▽
食事も終わり 部屋のソファーに身体を染み込ませるように座った、柔らかいソファーとワイン そして横には赤い包を持った彼女の姿。
得意げにニヤリと笑って「プレゼント、開けて?」と 俺の手の中にそっと押し込むように置く。包み紙をはがすと 薄いゴールドの俺の好きなブランドの箱が顔を見せた、自然と笑顔になる。
「開けるぞ?」
「うん...!」
俺の反応が気になって気になって仕方の無い様子でキラキラと光る目で俺とプレゼントを交互に見る。
薄いゴールドの箱のザラザラとした手触りを感じながら蓋を開けた、中から出てきたのは薄くて白い包装紙に透けた赤色。ネクタイだとすぐに気付いた俺は 彼女の肩に腕を伸ばし引き寄せた。
「ありがとう」
ネクタイを手に取るとシルク特有のツルツルとした触り心地の良さを感じる、薄くブランドのロゴが刺繍されているようだ 自分がつけていたネクタイを外して プレゼントのネクタイを締めた。
「本当に似合ってる...!よかったー」
「俺の趣味をよく分かってるな」
「好きだから 何でも分かるよ」
ふふっと柔らかく笑い俺の唇に自分の唇を重ねてきた、ほんのりと酔っている俺は そのキスに溺れる様にソファーに 押し倒した。
20180414(新しいネクタイ)