「いい試合だったね」
「...負けちまったけどな」
不動君にタオルを渡せば彼はそれを受け取って汗を拭った、濃い緑の瞳が 笑顔で喜んでいる雷門イレブンを見つめてる。
「サッカーは不動君がやめない限りはどこまでも続いていくし」
「分かってるよ、お前に言われなくても」
たく、うるせーな
口は悪いくせに口角を少し上げて私に優しい目を向ける彼にドキンと心臓が揺れた「お前 なんでそんな目してんだよ」なんて...
気付かれたのだろうか、1歩だけ後に下がると不動君は私の方に1歩近づいた。
「あーあ、今日勝って お前に告白しようと思ってたのによ」
「......え!?」
「って言えばもっと赤くなるかなって思ってよ」
「からかわないでよ 意地悪、性格悪いんだから...!」
ニタァと笑う彼に私は溜息を吐く、頬が焼けるように熱いし 周りのみんなに会話を聞かれてるかもとドキドキしながら両手を頬に当てた。
全然冷えない頬の熱をどうしようかと考えていたら、不動君のほんのりと冷たい指先に手首を掴まれて 強引に引っ張られる。
「オイ、こっち来い」
エメラルドの瞳は私だけを見ている。
▽
「さっきの 冗談だってまだ思ってんのか?」
「...だって、いつもからかってくるから」
「負けた後に告白すんのはダセーだろうが」
ポリポリと人差し指で頬をかいて彼は私の事を壁に押し付けた、壁はひんやりとしてるのに さっきよりも熱は上がっていく...
「え、あの...本当に 怒るよ...?」
「好きだって言ったらお前こんな俺でも付き合うのかよ」
「...ほんとうに 好き?」
ぱちぱちと何度も瞬きを繰り返す、不動君は私のそんな態度に心底ウザそうな顔をして痛いくらいに頬を抓られてキスされた。
スポーツドリンクの味がする、汗の匂い 土臭くて...奥の方から香ってくる柔軟剤の爽やかな匂い...。クラクラと 膝が震えた。
「...お前が毎回そんな面するから悪いんだよ」
「わたしのせいじゃ、」
「うるせぇ もっかいさせろ」
「え!?む、むり...恥ずかしくて死ぬし...唇カサカサだから、」「黙ってさせろよ」
手首に跡つくくらいギリッと掴まれて、でもそれは痛みの中に甘さが混ざっていて 心地がよい。
次のキスはさっきみたいな生ぬるいもんじゃなくて 目の前にいる緑色の目した悪魔そのものって感じの 激しくて熱くて甘ったるいキスだった。
「っ、ばか...不動君 こんなとこで」
「うるせぇよ、お前みたいなイイコチャン こんなふうにされんのが興奮すんだろ」
20180608