灰崎が

「凌兵、お疲れ様」



熱い体を風が冷ましていく、タオルか揺れる方向に立っている女に視線を向ければ優しく笑ってた。



「...負けたけどな」

「いい負けだったんじゃない?」

「負けは負けだろ...まあ、悪かねぇけど」



手に持っているドリンクを俺に渡して 頭をガシガシと撫で回すバカ女の腕を掴めば、ニカッと効果音がつきそうな笑顔で俺を見てやがる。



「...なんつー顔してんだよ」

「凌兵かっこよかったよ」

「うるせぇ」

「照れないでよー」

「照れてねぇ」


「照れるのは悪い事じゃない」

「うるせーよ 水神矢」

「さっきはキャプテンって呼んでくれたのにな、灰崎は本当に恥ずかしがり屋だな」



いつの間にか俺の周りに集まってきた星章の先輩共と鬼道、照れ臭くてタオルで少し顔を隠せば 耳障りな茶化すような笑い声が。

うるせー奴らだな...



「皆 凌兵が成長していくのが嬉しいんだよ」

「うるせぇよ、親かよ」

「まぁ 親心のようなものだな」

「はぁ?気持ち悪ィこと言ってんじゃねぇ鬼道」

「ガキ臭いことを言うのはやめろ!」

「急にでけぇ声出すなよモジャ」



はぁ 面倒くせぇ
タオルをぽすっと地面に落として、馬鹿女の腕を掴んだ。



「邪魔すんじゃねぇぞ」

「えっ」



走り出したと同時に 後ろから鳥肌立ちそうな馬鹿な言葉が背中に突き刺さる、これだから 馴れ合いは嫌なんだよ...アイツら童貞かよ。










ハァハァと荒い息を調える間もなく、凌兵は私を抱き寄せてきた。汗ばんだ肌がぺたぺたとくっつく 嫌なはずのその感触でさえ気持ちよくて抱き締め返す。



「...二人きりになるとまた素直になるんだ」

「うるせぇな 黙ってろよ」

「恥ずかしいの?」

「......ブチ犯されてぇのか」

「またそんな事言って」



首に垂れてる汗が私のおでこを伝う。

素直な面を見せずに生きる事が自衛方法だったんだろう、凌兵は今日の自分に満足している反面戸惑ってるのか ぎゅーっと痛い程私を抱き締めて落ち着こうとしてる。



「落ち着いてきた?」

「...あぁ」

「それじゃ、着替えて茜ちゃんの所に行こうよ」

「ついてきてくれんのかよ」

「うん、茜ちゃんの所行ったあと なんか食べに行こう お腹すいちゃった」



汗に濡れてごわごわになった髪の毛を優しく撫でればくすぐったそうな声を出す凌兵に軽くキスをすればしょっぱくて、甘いものを食べたくなってしまった。




20180629(素直な灰崎もっと見たいです)