「え…お父さんが生きて、る…?」
「あぁ 今はここにいる」
「本人なの?」
こくんと頷いた鬼道君から地図をひったくる。車に乗り込んでその場所に向かう、お父さん生きていたなら…何故会いに来てくれなかったの…?
*
「お父さんっ!!!!」
すっかり老けてしまったお父さんの姿。
私をみて目を見開く。
「お父さん…うぅうう」
「〇…何故ここを」
「鬼道君が教えてくれたの…!
お父さんこそ生きてたのなら…会いに来てよぉ…っう」
泣き崩れた私を抱き締めて、そっと頭を撫でてくれるお父さん。懐かしい…10年前のまま お父さんの香り。
「〇、お前からの手紙は全て響木から送ってもらっていた」
お前の成長を近くで見れなくてすまなかった、優しく微笑む。あぁもう 生きててよかった…。おとうさん。
「お父さん 25日空けててね」
「クリスマス、か」
「うん その日は仕事21時には終わるから…22時にここに迎えに来るね!」
久しぶりに食事しよう そう言い残し私は仕事に戻った。少し寄り道をしてお父さんへのプレゼント。ハイブランドのネクタイ 奮発したから明日は自炊だな。なんて 凄くうきうきしてる。
**
クリスマス当日、周りはカップルだらけ。落ち着いたお店で大人な和食 老舗のお店を予約。お父さんとの食事久しぶりすぎて何着ればいいんだろう…クローゼットの中からありったけのワンピースを取り出す 大人に白?クリスマスだし赤?いや落ち着いた緑???彼氏と出かける時より迷うなぁ…!家を出る頃にはもう21時45分やばい…タクシーを拾いお父さんの元に
21時59分ギリギリセーフ
お父さんを乗せてお店に、店内は暗くて魚を焼いているのかいい匂い…。個室の一番いい席に案内してもらって注文をする。
「お父さん お酒飲まないの?」
「ああ」
「ふんふん …お父さん、老けちゃったね」
「お前は随分綺麗になった」
元から綺麗だったがな、そう付け足すお父さん。なんだか照れちゃってうまく言葉が出ない。
「はい、乾杯」
「ああ乾杯」
乾杯をすませて出されたお突き出しを黙々と食べる、あぁあああなんかしゃべらないと…ごくんっと飲みこみ口を開いた だが話し出したのはお父さん。
「彼氏とは、どうなんだ」
「え゛…あ、順調だよ」
「そうか 今日私ではなく彼氏と過ごしてもよかったんだぞ」
「…今日は家族の日だよ」
私が言うとサングラスの奥の目が優しく細められた。そうだったな、和やかな雰囲気。なんて幸せなんだろう。
「〇」
ずいっと近づいてきて指で口元を拭われた、何かついてたのかな「もう子供じゃないんだよ!」笑いながら言うとお父さんが少し悲しそうに俯く。
「10年前で止まってしまっていた すまない」
「おとうさん…」
「もうお前は自立して、立派になったのにな」
「…これから、いくらでも時間あるんだよお父さん」
「…!?」
机の上でお父さんの手をぎゅっと握る、今も変わらず温かくて涙が出た。来年も再来年もそのまた再来年だって…クリスマスは家族の日なんだよ。そう言ったらお父さんがゆっくり頭を撫でてくれた。
「そうだな」
「また 一緒にお墓参りして映画観て、それでっ…水族館でしょ…動物園、お花見だって 初詣だって…いっぱいしたい事あるの」
「あぁ、全部行こう 私もお前の歌っている姿を観に行きたい そしてこの先にあるお前の結婚だって、二人目の孫だって見て そうしないと成仏できないな」
「お父さん……一人で立てなくなってもちゃんと介護してあげるから」
半べそかいて言えば、おかしそうに笑うお父さん なによありえるでしょ!
「メリークリスマス」
「うん、メリークリスマスお父さん これからも親子二人で生きていこう」
最高のクリスマス、これは誰かからの贈り物だろうか。
Hey Mr Big
(胸の中はとても暖かくてそれでいて真っすぐな愛に満ちている)
20131222
Part Of Meの番外編!どうでしょうか…( ^)o(^ )10年後のイメージです…どうでしょうか(二回目) Part Of Me番外編凄く書きたかったのでチャンス頂きありがとうございます!また宜しくお願いします^^!
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