カイピロスカ

(GO)





「冬海さんって、昔から変わんないですよね」


「いきなりなんです?失礼な…」


「だってそうじゃありません?いっつも上の人間にへこへこしちゃって自分の意思はないし、平気で人を傷付けちゃうんですもん」


「はぁ なら私と一緒に飲むのやめたら如何ですか」



凄く不機嫌な冬海さん、当たり前か でも私の言っていることは当たってるでしょ。そういう意を込めて冬海さんを見ればどきりとした様子で私を見る。根はいい人っぽいのにな、ていうか人間皆根が腐ってる人なんて限られてる。




「◎さん、飲みすぎでは?」



「冬海さんに介抱してもらうのでいいんです」


「よくないですよ!」


「何でですか、嫌いなんですか?私の事?」



戸惑わないでよ、なんだかショック。10年前確かに貴方に怒鳴りつけて殴ったけど、今は雷門の校長と音楽教師…もう許してくださいよね



「だいたい冬海さんなんなんですか」


「次は何です?」


「何で校長に?」


「それは…秘密です」


「お金に目がくらんだとか?」


「秘密です」


「秘密主義とか正直うざいです」


そういえば盛大なため息


「もういいです、すいません カイピロスカ入れてください」


「かしこまりました」


「まだ飲むんですか…」


「明日土曜日なんですよ 冬海さんも付き合ってください」


「これを飲んだら帰ります」


嫌です

そういえば本日二回目の盛大なため息





*******





彼女はなぜここまで私に絡むのだろう、今日だってずるずる引きずられてきたと思えば散々なことを言われる。なんだって彼女はずかずか入り込み不愉快なことばかり言うのか。



「このカクテル半分こしましょ」


「はぁ?」


驚いて、箸からもずくを落としてしまう。何歳なんだ君は と言えば別にいいじゃないですかと帰ってきて。



「このカクテルの言葉知ってます?」


「知りません」


「教えてあげますね」


「どうせ 貴方が嫌いとかそんな意味なんでしょう」


「違いますよ


明日への期待…」


「へ?」



凄く間抜けな声が出て開いた口が閉まらない。何を期待するというのだろうか…この私に?なんなんだいったい。



「周りに誰もいなくなったら可哀想だから私がついててあげます、だからいい人に戻ってください冬海さん」



年甲斐なく照れた私は気付かれたくなくそっぽを向いた




「だから 私を嫁さんにするべきです」


ぽりぽりキュウリを食べる音と私の中で何かが音を立てて崩れた





実に不愉快で、幸せな気分になるなんて 酔ってしまったのか。


それか









カイピロスカ

明日への期待






20131223