ドライマティーニ

結婚を明後日に控えた私達は通いなれたお店に行く、いつも一杯目はビール。ビールを飲みながら前菜の盛り合わせを摘まむ、今日はオリーヴがなんだか美味しくて ヒロトの分まで食べてしまった。



「◎、ついに明後日だね」

「本当だねー、あーあ〇とおさらばして吉良になるのかぁなんだか嬉しいけど寂しいな」

「確かにねそれが辛いよね」

「...でもいいんだ、夫婦になれるんだから」

「嬉しいよその言葉」



眼鏡をくいっとあげて、カクテルグラスに口をつけるヒロト。



「マティーニ好きだね」

「ドライマティーニね」

「似たようなもんじゃないの?」



全然違うよ、なんて優しく笑って私を見るヒロト。メガネの奥に見える エメラルドみたいな瞳に毎日見つめられたり、毎日愛の言葉を貰えるなんて 世界で一番の幸せ者だ。



「あ、そういえばこの前結婚した友達いたでしょ?その子旦那に結婚して子供できたらすぐ仕事辞めろって、それで専業主婦になれとか言い出したらしいよ」



男ってそんなもんなのー?そう聞くとヒロトはうーんと唸りこう言った。



「それはおかしいんじゃないかなぁ、女性の意見も聞かないとね。働きたいなら働けばいいと思うし専業主婦になりたいのなら専業主婦になればいい 男の意見だけですべて決めるのはおかしいよね」



二人分の空いたグラスを店員の方に差出して ドライマティーニを2杯注文した、私が望んだ言葉をくれるヒロトに安心して顔が綻んだ。やっぱりこの人と結婚するのは、正解だ。



「やっぱヒロト選んでよかった」

「なんで?」

「女を対等に扱う男だから」

「当たり前でしょ」



他の男がおかしいんだよなんて意地悪く笑って、二杯めのドライマティーニを飲み始めた。ちょっと酔いが回っていい感じ...。









結婚式当日、私は真珠のアクセサリーと胡蝶蘭の髪飾り ダイアモンドがちりばめられドレスに身を包みヴァージンロードを歩む。

向こう側に見えるのは大好きなヒロトの顔、今日は眼鏡を外しているから 綺麗な色の瞳が私だけを優しく見ていた。




20131221
⇒修正 20180418