スティンガー

「お前は自分が何を言っているか本当に分かっているのか?」

「はいっ分かってます!」



最近マネージャーを始めた〇が毎日と言っていい程 俺を見れば「大好きですー!」と告白をしてくる、すれ違いざまに告白...トイレから出てきたところを告白...なんて事が日常茶飯事だ。

なんなんだこいつは、まだ14歳の小娘にときめくものか。鬼道に助けを求めようとしても今は運悪く外出している、はぁ...とため息を吐いて〇をじろっと見ると「わっ!みてくれたー!」なんて嬉しそうに瞳を輝かせている。



「駄目だと言っているだろう」

「なんでですか!」

「歳の差...第一お前は中学生、俺は教師だぞ」

「そんなの愛があればなんとかなりますよ!!」

「はぁ...本当に馬鹿なんだな、そんな事よりさっさと選手たちのドリンクを用意しろ」

「もう終わりましたよ!」



よく見ると後ろにはドリンクの入った箱が、こいつは本当に…。マネージャーとしては文句言えないほど よくやってくれている。



「〇」

「はい、何ですか!佐久間コーチ!告白ですか!?私はもちろんオッケーです!」


「お前は一度病院で頭を見てもらえ」



こうやって酷い事を言っても離れていかない むしろ喜ぶ、本当に…どうしたものか。運よく鬼道が帰ってきて「〇そろそろ、佐久間から離れるんだ」と引っぺがしてもらうも...ぎゃーぎゃー騒ぎ鬼道の腕に噛みつく〇。

おいおいお前は何してるんだよ...鬼道が呆れ返った目で俺を見る、そんな目で見ないでくれ
俺は悪くないだろう。







仕事が終わり鬼道と俺はいつもの店に向かった、久しぶりに飲みたい気分だったからキツイ酒を注文した。

喉が焼けるような酒を1口飲むと歯止めが効かなくなり、2杯 3杯と飲み進めてしまった。鬼道が「飲みすぎだぞ」と制止の言葉をかけるも、俺は「大丈夫だ」と返し 4杯目に口をつけた。



「もうすぐ酔いが回るだろう、介抱してやらんぞ」

「いいさ、自分の面倒くらい自分で見る」

「その言葉何度目だ」



グラスに注がれた赤ワインを回しながら味わうようにして飲む鬼道の横顔を見れば どこか楽しそうだった。自分が飲むカクテルグラスを見つめると 頭に浮んでくる〇の顔。


ヘラヘラと俺の気も知らずに笑う〇がうざったくて4杯目を飲み干し、おかわりを頼んだ。










「佐久間コーチ?」



21時頃、お母さんから頼まれた牛乳を買いに行く途中で酔っぱらっているのかフラフラと歩いてる佐久間コーチに会った。



「〇か...」

「佐久間コーチ、酔ってるんですか…?」

「…えのせいだ」



「えっ?」



ガシッと手首を掴まれてバランスを崩した、佐久間コーチの細い体に倒れ込んでしまった。さっ、佐久間コーチの…服からいい匂いがする...!



「さ、さくまコーチ?」

「お前、付き合うってこういう事なんだよ...分からせてやる」



ちゅっと音を立てキスされた。そのまま大人の人がするような...海外ドラマとかで見た恥ずかしいくらい舌を絡ませるキス…を…された、!パニックどころじゃない、死んじゃいそうなくらい恥ずかしいキスに ぼとりと牛乳を落とした。



「お前が恥ずかしくて死にたくなるようなことを するのが大人の付き合いなんだよ、わかったか」



佐久間コーチはそう言って寝てしまった、え ここ道端ですよ!





20131223
⇒修正 20180418