クレンジングクリーム






円堂君の結婚式

私は、自分の心を嘘で塗り固める為に灰色のアイシャドーにきつめのラインを引いて そして付け睫毛を。こんなに痛む気持ちを隠して 私は式に出なければならないのか 何故 あの子を選んだのか。私の方がずっと前から知り合いで、手を繋いで帰ったり、キスしたり、時には喧嘩したり 今までの愛は何だったの。


幸せな空間に一人
取り残されたかのように、ぼーっと誓いのキスを 見て キスをして にっこり笑って。幸せそうで。


まるで 消えないタトゥー。





**




式が終わり二次会に

私は着ていたパーティードレスの裾を握りしめた、反抗の意を込めて着た黒。それさえも浄化してしまうような二人の愛が憎たらしくて 飲みすぎてしまった。



「大丈夫か?」


「…っ、吐きそう」


「トイレに行くか?」



私を支えて立たせてくれたのは豪炎寺君、トイレの個室に着いて吐き出せば そっと背中を擦って持ってきてくれたおしぼりで私の額の汗を拭ってくれた。



「ごめんね」


「いいんだ 辛いのは、お前だからな」


「………も、やだ なんで…」


「〇」



吐いた物を流して、口を濯ぐ。ぽたぽた落ちる黒い液体、豪炎寺君は私を抱き締めて ぽんぽんと頭を撫でてくれた。その優しさに溺れてしまいたくて 豪炎寺君の着ている上着を脱がして 首にキスをした。驚いた声が聞こえてもやめらない、埋めて欲しい ぽっかり空いた穴を。



「豪炎寺君…ごめんなさい、私 わたし…っ、ダメ 愛がほしい 誰でもいいから」



我ながら最低な事を言ってしまった。後悔などしても遅い、黒い涙が 豪炎寺君のワイシャツを汚してる。



「いいんだ」



優しく 微笑んで



「お前が 俺を見てくれるなら」



俺は最低だな


そう言って 笑って。私の唇に自分のものを重ねた。



「俺は汚い、な」


「なんで」


「お前が傷ついている、そんなときに 俺は」


「………私が悪いのに」



優しさに、溺れて



息ができなくなりそう。





「好きだ」





20140113