あまりにも見慣れない光景に一瞬目が眩んだ。鬼道監督は約束通り私を迎えに来てくれたが、見慣れた鬼道さんにありえないリムジンと100本以上ありそうなありえない真紅の薔薇の花束がオプションで装備されている。
「...鬼道さん」
「おめでとう」
緑のサングラスがキラリと光る。優しく笑う鬼道さんに花束を渡された、思った以上に重たいそれに声を漏らしてしまった。
「鬼道さんよくこれ軽々と持ってましたね...」
「お前には少し重いか、貸してみろ
持っていてやろう」
「いいです 私が持ってたいです」
ずっしりとこんなにも重たい花束貰ったことがなかったから、急に乙女チックな自分の感情にドキドキしてしまった。顔をあげれば鬼道さんは相変わらず優しく笑ってる。
「行くか」
「...どこに??」
「卒業祝いだ」
「あっ、前に約束してくれたやつですね」
「そうだ ほら」
ガチャっとドアを開けてエスコートしてくれる鬼道さんにドキッと胸を高鳴らせながら私は未知の領域に足を踏み入れた、私の部屋より広い気がするそこは嗅ぎなれた鬼道さんの香水の匂いがする。
「◎ 改めておめでとう」
「ありがとうございます、鬼道さん」
「綺麗になったな」
彼の人差し指が私の頬を撫でる、いつもと違う手付きの鬼道さんに情けない顔を見せてしまった。
「綺麗になんかなってない」
「そうか?大人の女になってきてるさ」
「言い方がやらしいんですよね鬼道さんは」
「だからそんな顔をしてるのか」
私の頬に這わせた指で私を自分の方に向ける鬼道さん、サングラスの奥で意地悪な赤い私を狙ってるんだろうか。
「これからはうんざりするくらい、毎日お前を女にしてやるからな」
どうしたらそんなセリフ出てくるんだろう、近付いてきた唇に捕まった私は呆気なく鬼道さんのものになった。
20190317