「風丸さん!?」
「よう おめでとう」
卒業祝いだと呼ばれた部室に入ればパーティーの準備をしている風丸さんの姿が目に入った、綺麗な水色が揺れる 私達用のコーラとサイダーとオレンジジュースの前にコップを置いてから風丸さんは私の目の前に。
私よりも大きな風丸さんをゆっくりと見上げたら「ほら これお前へのプレゼント」と箱を渡された。
「...これ、私に?」
「他に誰かいるか」
「プレゼントならみんな集まった時でいいのに、」
「ばーか お前にだけだからみんなの前で渡すとヤバいだろ」
「えっ」
箱を落としそうになった。
どんな顔をしたらいいか分からなくてどんどん眉間に皺が寄る私に対して風丸さんの綺麗な顔がきょとんと崩れる、私にだけってどういう事だろうか。
「嫌だったか?」
「いや、そうのじゃなくて」
「中見てみたらどうだ」
「はい...!」
可愛らしい色のリボンをほどいてゆっくりと箱を開けたら、高級感のある綺麗なフォトフレームが出てきた。
「綺麗...」
「だろ?」
嬉しそうに笑う風丸さんに ドキンと胸が高鳴って私は唇を噛んだ。
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「もう そろそろお開きにするぞー、最後に皆で写真撮って終わろう」
円堂の提案に部員達は楽しそうに声を上げた、プレゼントをあげてから そわそわと俺を見ては目を逸らすを繰り返す〇は明らかに俺のことを意識してる。
可愛いサッカー部の後輩の1人だったんだけどなぁ、特別扱いをしたくなる存在になるなんて 俺だって思わなかった。
「◎先輩、お二人の写真撮ってあげます」
「えっ」
「おっ いいじゃないか、〇もう少し寄れよ」
遠慮がちに椅子を俺の椅子にぴったりとつけて彼女は恥ずかしそうに俯く、そんな彼女に前を向けってと笑いかければ「はい...!」と情けない声が。
「はい 撮りますよー」
みんなの視線が集まる、鬼道はなにか気付いてるのか呆れた顔をして俺を見ていた。
カシャ 控え目なシャッター音の後、息を止めていたのか〇は 大きく息を吸って吐いた。
「ありがとうな」
「いえいえ」
次は鬼道と錦が撮られるようだ、視線が俺達から離れたその瞬間彼女は小さく「今の写真を 飾りますね」と呟いた。
その声にどうしようもなくにやけてしまった俺はそれを隠すようにコーラで愛しさを胃に流し込んだ。
20190317