キラキラ

ホースから出る水をかけられたのは生まれて初めてだった、かけた本人は サァーッと血の気が引いた様子でコチラを見ている様だが 目に水が入ってしまって目の前が良く見えない。

頭のてっぺんから、つま先まで...びしょ濡れになってしまった。



「ご、ごめん...大丈夫かな?」

「大丈夫じゃない...、拭くものは??」

「これ、タオル...!!」



今日は薄らとメイクをしてきたというのに、どうしてこうなる。タオルで少し乱暴に拭けば、目の前がクリアになった。

どんな顔のやつだ!と前を見れば...青髪に切れ長のアメジストをはめ込んだような瞳の美少年が...!クールそうな見た目とは裏腹に優しげな声をしてる。



「サッカー部のトレーニングで、水まきしてたんだけど...本当にごめん 服びしょ濡れだね」

「あ、うん 全部濡れそう」

「え?」

「ううん、こっちの話...」



「ほら これ」と私に雷門のジャージを羽織らせてくれた青髪の美少年、たらんとだらしなく下げた眉毛からは反省の色が窺えるので 私は許す事にした。イケメンだし。



「名前は?」

「あ、ごめん 遅くなった 氷浦貴利名、よろしく」

「氷浦君 私〇◎宜しくね」


「絶対今度お詫びするから、また...!」



ホースを持ち走る彼、向こうの方にいた子達まで彼の後ろをついて 走っている。なんだったんだ...。

びしょびしょになった服が気持ち悪いから、早く 教室に行って乾かそうと校舎へと向かった。











部活が終わり部室へと帰る途中、彼女が目の前に現れた。乾き切った制服のスカートをヒラヒラと揺らして俺に笑いかける〇さん。



「氷浦君 おつかれ」

「ありがとう、乾いたんだ 良かったよ」



今朝は本当にごめんと謝れば「お詫びしてくれるんでしょ?」と意地悪そうに笑う彼女。



「あ、これジャージもありがとうね 」

「あぁ そういえば渡してたな」

「私の匂い付いちゃってるかも」

「匂い...?」



思わずに匂ってしまった、女子ーって感じの匂いがふんわりと香ってきて 無性に恥ずかしくなる。そんな俺を見て 彼女ははずかしそうに怒った声を出した。



「ちょっと、恥ずかしいじゃない!匂わないでよ...!」

「つい...」



もー 変な子ー。
そう クスクスと笑って彼女は俺の腕に触れた、こうやって 触れられることなんてないから 俺は身構えてしまった。



「ねえ、タピオカのみに行かない?」

「タピオカ...?今から?」

「お詫び してくれるんでしょ?」



首をかしげて、わざとらしく眉をあげる彼女にドキッとしてしまった。これが都会の女の子なのか。



20180422