コツンコツン ローファーを鳴らして綺麗な廊下を進む、奥の方にある久遠監督の部屋の前に。ドアを2回鳴らせば「入れ」とドア越しにも 胃の下が震えそうな低い声が。
ガチャっと音を立てドアを開けた。
「監督、鬼道君から預かってきました」
「そうか こっちに持ってきてくれ」
ドアから少し離れた久遠監督が座るソファーに向かうと久遠監督は顔をあげて私を見た、眼鏡越しに私を見つめた瞳にドキッとしてしまい 私は鬼道君から預かった大切なファイルを落としてしまった。
「すみません、監督」
「大丈夫だ」
ソファーに座ったまま ファイルから散らばり落ちた紙を拾う久遠監督、私も久遠監督の足元にしゃがんで紙に手を伸ばした。
その手を掴む 久遠監督の大きな手が...
「あの...久遠監督」
「〇 無防備な姿を見せるのは彼氏の前だけにした方がいい」
「えっ」
目線を落として自分の姿を見たが ネクタイを緩めてたせいか レースのキャミソールが見えたか...しゃがんだ時にスカートの中が見えたのか...。
とにかく 恥ずかしくなって、私は立ち上がろうとしたが 久遠監督に手を掴まれていた為 監督の方へと倒れ込んでしまった。
「すみません...すぐどきま、」
「このままでいろ」
「...いや、その...っ」
苦いコーヒーの味がした、キスをされてると分かるのにかなり時間がかかった。テロっとした素材のネイビーシャツをぎゅっと 掴むとソコに皺ができた。
「っふ...久遠監督、なんで」
「だめか?」
「当たり前です...!第一、私には鬼道君が...」
うるさい口だ、普段と変わらない監督の表情を目に焼き付けながらまた唇を許してしまう。
次は ねっとりとした舌がはいってきて 身体中が焼けるように熱くなった、久しぶりにキスをした...世宇子と雷門とが戦った後にしたキスが鬼道君と最後にしたキス。
「っは 久遠監督...」
「どうした 物足りない顔をして」
「...だめですよ、こんなこと」
「別に 嫌ならそのドアから出て帰ればいい」
「そんな」
このまま久遠監督とキスしたいし、鬼道君としかキスしたくないし...交互に来る感情はどちらも正直で。その場から 離れられずにいた。
「どうするんだ」
「...分からないんです、キスされただけで 体の力抜けちゃって」
「ほう それは、褒め言葉か?」
私の腰とお尻の中間を大きな手のひらで押して、久遠監督は私を跨らせるように座らせた。久遠監督のが...はっきりと分かるこの体制に 梅雨の時みたいに湿る下着の中。
「ずっと お前は欲していたんだろう」
「なんで分かるんですか」
「...大人は 汚いからな」
ネクタイをそのままにブラウスのボタンを外された、ぱさりと音を立て落ちたブラウスは力無く床に横たわってる。私もこんな風にされるのか 期待と不安で胸が張り裂けそうになりながら、久遠監督を見れば 優しく笑ってた。
片手で簡単に外されたホック、キャミソールをブラと一緒に捲られて 私の発達中の胸が久遠監督の目の前に...。窓から入る夕焼けの色が 私と久遠監督を染めて...私は心を彼に半分渡す事にした。
「久遠監督...」
「どうした」
「...内緒ですよ」
満足気に笑った久遠監督は私の胸に触れた、ビリビリッと身体に電撃が走り 私は大きく仰け反った。
20180505