彼女は元々この雷門でマネージャーをつとめ、
帝国に派遣された強化委員。忘れ物を取りに雷門中の旧サッカー部を一生懸命こじ開けようとしていた所を見つけた。
それからというもの、彼女と俺は随分と親密な仲になってしまった。
「道成君 今日お誕生日だったよね」
彼女は弱小だった雷門中がどうやってフットボールフロンティアで優勝したかを俺に教えてくれて、最初は河川敷が皆の練習場所だったと教えてくれた。
他には 恋を教えてくれた。
「覚えててくれたのか?」
「当たり前じゃない 開けてみて??」
彼女から受け取った箱を開ければ彼女はドキドキと不安と楽しいが混ざった表情で俺を見る、その箱を開ければ中から出てきたのは 青い石とキラキラとした白い石のついた洒落たブレスレットだった。
「こんなもの...貰っていいのか、?」
「道成君のお誕生日の日の石なの」
「そんなのがあるんだな これ、その...」
「...あんまり気に入らなかったかな?」
不安そうに俺に尋ねる〇の手に触れた。
「俺は他の学校のキャプテンに比べてカッコよくもないのにお前は俺を好きだと言ってくれるのが なんだか不安で、それに こんな洒落たもの俺に似合うだろうか」
彼女は高速で瞬きをして 大きく笑った、彼女のお気に入りである旧サッカー部の裏に笑い声が響いた。
「ねえ、道成君って本当にピュアだよね...!」
「笑いすぎだ...」
「私ね そういう所が大好きだよ、顔もカッコイイよ なんだか大人っぽくてさ」
彼女は切り揃えたばかりの俺の前髪に触れて、さらりと撫でた。
「道成君には道成君にしかないものが沢山あるんだから、変な事言わないでよ ほら腕だして」
「わ、かった」
彼女の言葉一つ一つにドキドキとしてしまう、情けない程に早まった鼓動を彼女に気付かれてしまうのではないだろうか 左手首に彼女がはめてくれたブレスレットについた石がそんな俺をひんやりと冷やしてくれた。
「ほら、似合うじゃん」
「...ありがとう こんな良いものを貰えるなんて、お前の誕生日は倍にして返す」
「期待してるね」
「ああ」
「あ、ついでに」
俺の肩に両手を置き彼女はグイッと俺を自分の方に倒して...キスをしてきた、目を見開くと同時に 「うわー!!キャプテンがちゅーしたー!!」と高らかに叫ぶ海腹の声が...。
「ついでに私のキスもプレゼント、それじゃっ...!また連絡するね道成くーん!」
「おっ、おい...!!ちょっと待て〇」
裏門の方に凄いスピードで走っていった彼女を恨めしげに見送り俺はそろりと後ろを振り返った。
「キスってやっぱり!ソーダの味でした!?」
「甘酸っぱかったですか!?」「甘かった!?」
いつの間にバレていたのだろうか...彼等の質問攻めに襲われる間、彼女が爆弾のように落としていったあの出来事を思い出した。
「キスは、リップクリームの味がした」
20180616(道成くんお誕生日)